ある夜ふけ、ポーラータング号の廊下を歩いていたローは、食堂から細く光が漏れていることに気がついた。
「こんな時間にどうした、ジャンバール」
ランプが作る巨大な陰影に向かって、ローは声を投げかけた。ひとり背中を丸め、テーブルに向かって何かを見ていたらしいジャンバールは、驚いたように身じろぎした。
「キャプテン」
ジャンバールの大きな手に握られていたのは、一部の新聞紙だった。麦わらの一味の記事が、顔写真つきででかでかと載っている。
「麦わら屋か。何か気になることでも?」
ローが尋ねると、ジャンバールは言いにくそうに口を開いた。
「ワノ国で海峡のジンベエが加入しただろう」
「ああ」
「黒ひげも、名のある者を大勢配下に従えたと聞く」
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