ある数日間の余録審神者は決して大人しく泣き寝入りする男ではなかった。かつて、この本丸への途絶したルートを、力づくで再開通させた男である。
一報を入れた古今伝授には、「すぐ修理させるから歌仙の身体の安全を確保しろ」と伝えた後、政府の設備管理サポートを行う部署へ猛然と食って掛かった。
決して安くはないコストを負担して、他の本丸ではそうそう受け入れないという政府純正の定期メンテナンスを受けてきた。このトラブルの少し前にも保守点検が行われ、完了報告を受け取っているのだ。
「とにかく一番腕の立つ技師を寄越してください。ボンクラは要らない。前回のメンテでどこか狂ったのは明らかでしょう。
大事な初期刀を失うような事態が、政府の手落ちで起こるなんてことが許されるはずもない。我々審神者は軍属とはいえ一国一城の主。国家賠償の訴訟も辞さないつもりでおりますが?」
6371