「「乾杯!」」
コナビールを掲げて、ヒロは久々に会ったかつての仲間、ヒビキとのささやかな祝杯を上げた。
「いや〜やっと終わったね」
「ああ、やっとだな」
「これであいつらも、もっとちゃんと会話するようになればいいんだけど」
「イサミはともかく、スミスも変なところで不器用だからなあ」
「それなー」
揃って同じタイミングで「はーあ」と溜息をついた。お互いの気苦労が手に取るようにわかって、顔を見合せて苦笑する。
思い出されるのはひとつになったイサミとスミス、もといブレイバーンのことだ。
世界を巻き込んだ鬼ごっことかくれんぼの果てに想いをぶつけ合うことのできた二人だが、秘匿されるはずのブレイバーンの存在が公になってしまった影響は大きい。然るべき処分や諸々の対応は、現在上層部にて検討中である。
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