タイトル未設定魔界王ガッシュ・ベルがそれに気付いたのは穏やかな夜のことだった。
成長した魔物は毎日睡眠を取らない。今晩は睡眠を取ることを決めていたこともあり、最愛のパートナーである清麿をベッドに連れ込んだ。
「いつまで経っても子供かお前は……」
呆れと照れと愛情を滲ませた笑顔で、清麿は添い寝を許してくれた。
苦しませないように、でもぎゅうと抱きしめた。
愛するものの匂いと体温と鼓動が傍にある幸福感に包まれて眠っていた、のに。
清麿の呼吸は何の前触れもなく止まってしまった。
「……っ」
規則正しく動くはずの清麿の胸が動いていないことに気付いて、ガッシュは飛び起きる。
(何故だ?いつから)
震えて冷える己の身体を叱咤し、ガッシュは清麿の胸に耳を当てる。
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