悪戯「わっ!」
純真な性格のポーンが覚者様の背中を軽く両手で叩きながら大きな声を上げる。最近彼女の中で流行っている遊びだ。
「………」
覚者様も最初は多少驚いたものの今ではすっかり慣れてしまい何の反応も無い。彼女が驚かそうとしているのを気配で察している様だった。
「も〜、覚者様なんでびっくりしないんですか?」
「いい加減諦めて下さい、覚者様もお困りです。」
不満げな声を漏らす彼女に私は自制を促した。覚者様が困っているというのは本当は嘘なのだが、そう言わなければ彼女はやめないだろう。規律を乱す行動は程々にして頂かなければ。
「別にいいじゃないんですか?覚者様別に嫌がってないんですし。」
突然今まで黙っていた奔放な性格のポーンが割って入る。いつも余計な彼の言動は同じポーンとは思えない。私が呆れていると彼は急に声を潜めて私に囁いた。
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