タイトル未定 ボルトがボルトとして里に戻ることが叶い、カワキと和解できた。
そして娘、サラダの心からの笑顔を数年ぶりに見ることが叶った。
里に祝福が訪れたその日、サスケは娘と弟子を遠く見守り、かすかに微笑んだ後、家路に着いた。
数年ぶりに帰った自宅は、細かな装いは変わっていたもののほとんど差異はなかった。サスケが帰宅するまではなるべく変えたくない、とサクラが配慮したのかもしれない。
そう無意識に自惚れるほどには、サスケはサクラに愛し尽くされていた。
そのサクラは、鼻歌をうたいながら夕飯の後片付けをしていた。鼻歌は機嫌の良い時の癖だ。
室内の快適な温度の中、ゆったりとソファに埋もれ気持ちのいいメゾソプラノの鼻歌を聴いていると、うとうととしかける。
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