三時のおやつ・
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「ご馳走様でした」
「ゴチソウサマデシタ!」
スピーカーから軽やかな音楽が流れるここはワンダーランドのセカイ、金髪の少年が作り出した摩訶不思議なワールド。ここに最初に生まれた、紺色のコートを身に纏うKAITOは手に持っていた箸を置いては、ポケットからハンカチを取り出し、自分と、うさぎのぬいぐるみの口元を拭う。
「シミニ、ナラナイ?」
「大丈夫、綺麗になったよ。確か、リンとレンと練習する約束をしていたね。そろそろ時間じゃないかな?」
「ホントダ! ボク、イッテクル! オイシイアイス、アリガトウ、KAITO!」
ぬいぐるみは急いで花壇から飛び降り、KAITOーーもう一人のKAITOーーに礼を言っては小さい歩幅でパタパタ走っていく。
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