君に甘いエールを 新調した水色のカーディガンは、五時間目になると特に心地よく感じる。手の甲に少し多めに被せるだけで、全身が柔らかい生地に包まれたような錯覚で微睡そうになり、どんな先生の話もララバイに聞こえてくる。
そうなるのも、昼食をお腹いっぱいに食べた上に、昼寝をしていなかったからだろう。今日も司くんが用意してくれたお弁当には、肉団子に、唐揚げ、たこの形に切られたウインナーがぎゅうぎゅうっと詰まっていた。美味しいそれらと共に並んでいるオレンジっぽい塊や、緑っぽい束を司くんに返しても、十分にお腹が膨れる量だった。
そして時間があればショーのことを語らずにはいられない僕達に通常の昼休み時間が足りるはずがなく、喋りながら彼の手料理をじっくり味わっていたら、弁当箱が空になる頃には、午後の授業を知らせる予鈴も鳴り出すわけだ。
1533