きさらぎと白鳥「『まっしろ白鳥』って知ってるかい?」
ある日の晴れた昼下がり、暇そうに頬杖を突きながらボールペンを転がしていた紅魔舞、僕の先生は急にこんなことを言ってきた。
「いや、知りませんけど。」
「…知りたいかい?」
そっちが振ってきたんじゃないか。と言いたい気持ちを僕はぐっとこらえた。
今僕の目の前でニヤリと笑っているこの人のペースに乗ってしまったらどうなるかは僕が一番よく分かっているつもりだ。
「いえ、別に。」
「ちょっと待ってくれよ~!分かったから、私の暇つぶしに付き合ってくれよ~」
僕がぶっきらぼうに返すとまるで先生は僕に泣きつくようにこう言ってきた。
全く、素直に話がしたいって言えばいいのに。先生行きつけの居酒屋の売り上げが少しづつ落ちてきてる理由がよく分かった気がする。
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