『家族が応援団に参加する話を聞かないまま競技に参加していたらのIFの話』燦燦と降り注ぐ陽光の下、本日は絶好の運動会日和である。
これでもかと準備した荷物を抱えて、はしゃいだミズと一緒に会場入りしたのは数刻前のことである。
荷物を取り出して並べるうちに、これは持ってきすぎてしまったのでは…?と若干正気に戻ったミズが、持ち込んだ飲み物の一部を屋台に預けて一息ついたところだった。
のんびりとした空気が流れる中、道行く星の子を眺めるのも楽しい時間である。
この競技が気になりますね、あれなら参加できるんじゃない?と今日の予定を話していた時だった。
とある競技のアナウンスを聞いて、ミズがそっと立ち上がる。
「行ってまいりますね」
「うん、いってらっしゃい」
そっと送り出せば小さく手を振ってくれたので振り返した。
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