悪夢 それと出会ったのは偶然だった。
教師が事件で不在の合同授業で誰よりも早く課題を解いて席を立つ。教室を出る際に向けられる羨望、嫉妬、妬みの視線を無視して進む。
「天才はいいよな!」
いつもと違ったのは声を掛けてくる者がいたことだ。
だが、答えてやる義理もない、無視をしていると後ろから腕を掴まれる。
「無視するなよ!いつもスカしやがって。」
「こんな無意味な事をするより目の前の課題を解いたらどうですか?あなた程暇じゃないので。」
今日はやたらと絡まれるな、いつも遠巻きにしか見てこないのに…
この時僕は少し苛ついていた。だから、いつもより辛辣になっていたんだろう。
「そんなんだから、何時まで経っても成績上がらないんですよ。もう少し無い頭を捻る努力をしたらどうですか?」
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