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    yi15534otsu

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    yi15534otsu

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    #ろんとと版ワンライ
    お題 告白
    60min+160?
    今回は乙の趣味が強い内容になってます。なんでも、バッチこーいの人だけ読んでね。

    告白 この時をどれだけ待ちわびたか…
    改めて手の中にある探偵免許許可証をまじまじと見つめる。
    一度は諦め手に入らないと思っていたもの、キミと出会って夢を諦めない希望をくれた。
    もし、僕が探偵として活動出来るようになったなら一番最初にする事を決めていた。
     「今日は、トトに告白する!」
    トトが僕の事を好きなのは知っている。それが、いつだったか明確には分からないがトトから感じる好意に擽ったいようなもどかしさを感じていた。
    僕は……トトが好きだ。多分、僕の方がトトより早い段階で恋愛として好意を寄せていたと思う。
    お互い好きで進展しなかったのが不思議なくらいだが、僕にもプライドがある。
    正式に探偵になったら僕らの関係に名前をつけようと決めていた。
    それが、今日だ…
    鏡に映る自分を見やる。長い前髪を後ろ髪を後に流しこの日の為に買ったスーツを着込む。
    そこには、完璧にきまった自分を見て満足する。

     探偵免許は便利だ。警察庁に入るにも使える、驚く顔たちを見やりながらトトのいる捜査一課を目指す。
    目的の人物は直に見つける事が出来た。周りがこんなに騒いでいるのに書類に夢中で気がついていないマヌケっぷりだ。
    「トト。」
    「は?っえ!ロン?」
    僕がここまで来ると思っていなかったのか慌てふためいている。
    「ロンがなんでここに?!てか、どうしたんだその服?」
    「話しがある。少しいいかい?」
    近くの刑事に空いてる部屋を借り、トトと共に入る。
    「今日探偵免許を貰えてね。トトに最初に報告したかったんだ。」
    「!おめでとうロン…なんだか、長いような短いような良く分からないや」
    心から喜んでくれているのは、トトの表情を見れば分る。
    目尻に涙を溜めながら嬉しそうに微笑んでくれている。
    「それでね。トト…改めて言うと照れくさいが、僕の恋人になってくれないか!」
    「断る」
    「何故だ!」
    思わず叫んでしまったが、しょうがないだろ!
    断られる未来を全く予想していなかったのだ。
    「キミは僕のこと好きだろ!」
    「好きだよ。」
    照れるでもなく、恥しがるでもなく当然のように答えるトトが分からない。
    「じゃぁ、何で断るんだよ。」
    僕は、探偵として公私共にトトを支える事が出来る。断る理由が思いつかない。
    「別に…お前が悪い訳じゃないよ。ただ、…」
    トトにしては珍しく歯切れが悪い。
    「言ってよ。僕が納得する理由を。」
    「………その、怖いんだと思う。ロンが好きなオレは本当のオレなのか。」
    何を馬鹿な事をと思う。誰よりも傍でキミを見てきたのは僕だ。トトがどんな奴で何を考えて行動してるかなんて知っている。
    目線を下げ体を強張らせている。
    キミは、何に怯えているんだい?
    「オレはさ、ロンが思ってる程いい奴じゃない。」
    「話してよ。どうしてそう思うのか。」
    これは、トトがトトになる切っ掛けの話し。
    そして、僕が知らなかったキミの足跡だ。




     トトは、言った。自分は多くの犠牲の上で今ここにいると。
    だから、普通の幸せを追い求めていい筈がないと。
    常に誰かの為に行動していないといけないと言い聞かせているようでもあった。
    なら、僕がすることは1つだ。
    トトが見えていない真実を見つけて突き付けてやる。
    キミが、今まで僕にしてきたように。
    「僕が、キミのその思考を変えてやる。世界一の名探偵を舐めるなよ。」
    「はぁ、分かったよ。お前に友達少ない事心配してたけど、オレも本当に仲のいい友達いないんだ。」
    「意外だな。」
    トトなら広く狭くでも友達が多いイメージがあった。
    「いるには、いたんだけどね…………………皆いなくなっちゃたんだ。」
    !!
    トトは、昔から仲が良くなった友達が亡くなる事が多かったらしい。
    最初は小学生の時、木から落ちてトトを除いて遊んでいた友達が亡くなった。
    次に中学時代。トトと出掛けていた所、車が歩道に突っ込んできて轢かれた。
    高校では、一緒に警察官になろうと話していた友達は行方不明。
    どれも事故だ。トトが悪い訳ではない。
    何故キミがそこまで罪悪感を抱くの分からない。
    キミは心の内を全て話していないだろう。
    残念ながら、僕は謎があれば解きたくなる性分だ。
    トトの全てを白日の元に曝け出してみせる!
    「一ヶ月。一ヶ月後キミにまた告白する。キミがピュアでマヌケな事を僕が証明してやるよ」
    「そうか、好きにすればいいよ。」
    トトからは、執着が見えない。普通は好きな人に嫌われたらとか考えると本心を隠す事がある。
    トトの場合は、僕に嫌われたくないから本心を語らないのではない。
    告白を断っているのは、僕がトトに抱くイメージとトトが持っている自分のイメージに違いがあると思っているんだろう。
    そこを、訂正しなければ永遠と平行線だ。
    ならば、トトの足跡を辿ってトトの心理を推理する。

     最初に訪れるたのは、トトの地元だ。
    10年以上前の事故を調べるのは骨が折れる。
    記事によると夏休み中木登りをしていた小学生が転落、3名中1名を除いて当たりどころが悪く亡くなっている。。
    「記事には、詳しい状況は載ってないか。なら、当時この事故を担当した警官に会うか。」
    事故を担当していた警察官は退職済みであったが、近くに住んでいた為直にコンタクトを取ることが出来た。
    「お前さんかい?聞きたい事があるっていうのは。」
    「そうです。10年以上前の事ですが…」
    事故の事を良く覚えてくれたお陰で記事では読み取れなかった詳しい状況が分かってきた。
     3人は折り重なるようにして落ちていたらしい。
    助かったトトは一番上で倒れていた。
    高所まで登った痕跡があり。かなり無理をして登った事になる。
    倒れていた状況からトトが上まで登ったんだろう。
    トトの性格からして無理をすることはあるが、無謀な事をするタイプではない。
    自分が怪我をすれば悲しむ人がいる事を理解している。
    「あの子たちは、かわいそうだったな。3人で遊べる最後の夏休みだったのに…」
    「?それは、どういう事ですか?」
    全ての話しを聞いて分かった。
    どうして、トトは無理をして木を登ったのかを
    やっぱり、キミは昔から誰かの為に動いていたんだね。

     次に中学時代の同級生を探した。
    トトについて聞くと運動がやたらと出来ていたがクラスの中心にいるタイプではなかったらしい。
    曰く、大人しくて目立っていなかった。運動は文句なし勉強もそこそこ。
    だが、事故にあった友人については多くの情報があった。
    性格は明るく、抜けている所があるが愛嬌がありクラスでも人気があったらしい。
    良く1人でいるトトに話し掛けて一緒に行動する事があった。
    中学1年の時は、人と距離を取っていたトトも2年に上がる頃にはクラスに馴染んでいたそうだ。
    中学三年になる頃、トトと買い物に出掛けている時にあの事故が起きた。
    警察の調書によるとトトを庇って逃げ遅れたらしい。
    ……………僕の知るトトなら真っ先に動く人間だ。
    キミの直に行動出来る反射は、積み重ねてきた経験で培った力なんだね。

     トトの高校の友人について情報収集を行っていると、何故か驚かれた。
    どうやら、僕はその人に似ているらしい。
    警察学校でもトトと同じ寮室だったしく。2人セットで覚えているものが多かった。
    面白くない…
    彼が行方不明になる前にトトと珍しく喧嘩をしていたと証言がある。
    喧嘩の内容は分からない。こればっかりは、トトに聞かないといけないな。
    喧嘩した翌朝から、姿が見えず今も行方しれず。
    念の為、警察学校での写真を見せてもらうことにした。
    「!!?」
    見覚えるのある顔だ。最悪のあの日1人だけ即死でなかった人物に良く似ていた。
    確認の為にスマホを取り出しある人物と連絡をとる。
    「あなたに頼みたい事があります…Dr.ヒルシュ。」
     トトとの約束まであと10日。

     約束の日
    仕事終わりに僕の家に来ることになっている。
    先程事件もなく定時で帰れるとトトから連絡があった。ただ静かにトトが来るのを待つしかない。
    その時は思ったより早く訪れる。
    管理室にある防犯カメラにトトが映り込む。トトがチャイムを鳴らすより先にドアを開け出迎える。
    「おかえり。トト。」
    「久しぶり。てか、おかえりっておかしくない!?」
    いつも通りのトトだ。表情も口調も変わりないが、ほんの少しだが纏う空気が違う。
    「まぁ、入ってよ。黒蜜とコーヒーどっちがいい?」
    「コーヒーで。」
     お互いの飲み物を用意して席につく。ある意味僕が探偵として受けた初めての依頼のようなものだ。
    「トトは言ったね。僕が思う程いい奴じゃないと。その考えを今から論破してやるよ。」
    「なら、オレも腹を割って話せなければいきないな。」
    おたがい頑固者だ。長い話しになるだろう。だが、勝つのは僕だ。
    「最初に小学生の時の事故だけど、キミは無理をして高い所まで登ったね。」
    「そうだ、オレがあそこまで登らなければ事故は起きなかった。あの二人を殺してしまったようなものさ。」
    「でも、何故高所まで登ったのか理由は聞いてないね。」
    「………性もない理由だ。」
    「そうだね。キミはカブト虫を捕ろうとした。しかし、重要なのはそこじゃない。」
    僕はトトを見やる。トトの視線はコーヒーの水面に注がれている。
    「仲の良かった二人転校することになっていた。キミは最後の思い出にカブト虫を捕ろうとした。」
    調べた結果。トト仲の良かった友達二人共家庭環境に問題があった。
    1人はネグレクト。もう1人は、親が過干渉で勉強に厳しかったらしい。
    その為、夏休み明けに保護の為祖母の元へ引っ越し。教育熱心な親は、今より学力が高い学校に転校する予定だった。
    「本当に馬鹿だよな。」
    「キミは気がついているんだろう?どうしてキミがあの事故で助かったのか。」
    3人は折り重なるように倒れていた。それは、足を滑らせ落ちるトトを助けようとした証拠だ。2人が途中でトトを受け止めた事で落下のスピードは落ちた。しかし、下敷きになった友人は打ち所が悪く亡くなった。
    「そうだな。あの時2人にオレは助けられた。」
    「それで、キミは運動を出来るようにしたんだね。事件以降体育の成績が良くなっているよ。」
    「それしか、思いつかなかったんだよ…あの時、足を踏み外すなければとか、自分で木にぶら下がれてたらとか考えて。」
    トトなりに考えて変わろうとしたんだ。2度と同じ思いをしない為に…やっぱり、キミは凄いよ。

    「それでも、仲のいい友達をつくるのは怖かったんだ。あいつが…」
    トトが言葉に詰まる。
    「あいつがさ、世話焼きでいつも1人でいるオレに話し掛けてきたのが始まりだった。」
    心を閉ざさないまでも、臆病になっていたトトに手を差し伸べた人がいた。
    その人は、トトに似て正義感がある性格だった。
    「最初は部活に誘われていたんだ。運動は出来ていたから。それが、教室では常に話しかけられて一緒にいたせいか2人セットみたいな扱いされてたよ。」
    トトが始めてコーヒーカップから顔を上げる。
    「嬉しかったんだと思う。一緒にいて楽しかったしな。警察官になるのが夢だって言っていたんだ。」
    それでキミは警察官を目指したの?
    トトに影響を与えた人たちが羨ましい。僕はトト、キミを変えられだろうか。
    「あれは、居眠り運転していたドライバーの責任だキミが気に病む必要なんてない。」
    「そう、事故だ…でも、オレはあの時動けなかった。車が突っ込んで来ようとしていたのは見ていたんだ。声は出せたけど、足がすくんで動けなかった。また、オレはそこで助けられたんだ。」
    事故の調書によると車が来るから逃げろと声が聞こえたと証言がある。
    そのお陰で大事故にはならなかった。1人の犠牲を除いては…
    「オレが自分で逃げられていたら良かったんだ。そうしていたら、あいつが動けないオレを突き飛ばす事もなかった。」
    これは、トトの後悔。力がなく友達を巻き込んでしまった。咄嗟に動けなかったから助けられた。
     でも、キミを後悔ばかりでなく立ち直った。助けられた事を糧にして誰かを助けられるように努力したんじゃないか。
    「今のキミは後悔の上にあるんだね。僕はトトの真っ直ぐで努力を惜しまない所が好きだ。」
    トトの隣に座り手を取る。
    「助けられた事を無駄にしない為に足掻いて努力して身につけた力は、多くの人を助けている。誇ることだ。それに、キミを助けないって思った人の気持ちもちゃんと汲んでいるじゃないか」
    「!!」
    普通、小学生で落ちる友人を助ける為に手を伸ばせる者が何人いるだろう。
    それだけ、トトの存在を彼らの助けになっていたんだ。
    家庭環境が良いと言えない彼らに先に手を差し伸べたのはきっとトトだ。トト自身が自覚がなくても。
    中学の友人もそんなトトの優しやに気がついていた。だから、必要以上に構ったのだろう。
     もう1つ、トトに伝えなければいけない事がある。
    「あとね。高校の友人見つけたよ。」
    「!どこに?」
    見つかると思っていなかったんだろう。驚いた声が響く。
    トトの両手を握り向かい合う。これは、トトにとっても辛い話しになる。
    「残念だけど5年前な亡くなっている。」
    「5年前…」
    僕とトトが共通に認識している、5年前の出来事。今ならトトも自力で答えに辿りつけるだろう。
    「!もしかして。」
    「あぁ、血の実習事件の時1人即死しなかったものがいた。Dr.ヒルシュに頼んでDNA鑑定してもらったら一致したよ。」
    震える手を離そうとするが、強い力で握り返す。
    「だからあの時!でも、何で…」
    「トト、失踪する直前にしていた喧嘩って。他人の為に自分の命を捨てられるか?って事だろ。」
    「そうだ…突然、誰かの為に自分を捨てられるか聞かれた。」
    「キミは、「必要ならする。」って答えたんだね。」
    トトが小さく息を飲む。
    「良く、分るな。それで、そんなの馬鹿げているって喧嘩になった。その時は感情的になっていた、後々考えて残されるのも辛いと思い出して謝ろうと…したんだ。」
    しかし、次の日には失踪していた。
    「あいつは、生きて上まで昇りつめると言っていたんだ!自殺するような奴じゃない!…なのにどうして。」
    憶測でものを言ってもしょうがない事だ。真実は亡くなって者の中に眠っている。
    ただ、推測するなら…
    青白い顔をしているトトを見やる。
    自分を犠牲にしても助けたいと思える人に出会える事は不幸なのか。
    「助けたかったんじゃないか。一緒に警察を…夢を目指す友人の事。」
    人質に取られれば、当時学校を卒業したばかりの学生では、成す術はない。
    「言ってくれたら良かったんだ!そしたら、一緒に!」
    「共に殺されていただろうね。」
    「!なんだよ、結局ロンの人生目茶苦茶にしたようなものじゃないか。」
    力無く項垂れている。相棒の人生を狂わせる一端を担ったかもしれない事実は、トトにも大きな傷を作る。
    でもね、僕は良かったと思うんだ。
    「トト、聞いて欲しい。確かにあの事件は僕にとって屈辱だった…でもね、今は良かったとも思っているだ。」
    「…?」
    トトの不思議そうな顔に口元が綻ぶ。
    「あの事件がなかったらキミな出会えなかった。キミがいてくれる今が、僕にとって一番大事なんだよ。酷いことだけど、彼が実行してくれて良かったとも思っている。」
    もし、彼が逃げていたらキミ共々殺されていた。その時は、別な誰かを充てがってね。
    「トトがいなかったら僕は今も怠惰の床で意地けていただろう。僕を救って導いてくれたのは紛れもないトトだ。キミが生きてくれた事に僕は感謝している。」
    だからね、トト。
    「僕と付き合って下さい。」
    長い沈黙が訪れる。トト自身にも迷いが残っているだろう。
    「オレは…ずっと、助けられた分誰かを助けなきゃって思っていた。皆が、助けて良かった奴だと思われるように。助けられたことを後悔したくなかった。」
    そうだね。だからキミは強くて優しいんだ。
    「このまま、付き合ったら迷うかもしれない。誰かを助ける時に迷いが出るのが怖いんだ。」
    「いいじゃないか、迷っても。」
    トトの顔に手を添えて目線を交わさせる。
    「キミが助けた僕は、誰よりも多くの人を救う!だから、これからも多くの人を救う為に僕と共にいて欲しいんだ。」
    トトと一緒ならなんだって出来る気がするんだ。
    キミの償いは、僕を救った時に終っているようなものなんだよ。
    トトの目から涙が一粒溢れ落ちる。
    泣いたのはそれだけ。
    トトはいつも通りの笑顔で言うんだ。
    「お前に付き合えるのもオレだけだからな。」
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