小さい子供 vs 北のミミ「僕、大きくなったらアキラと結婚する!」
無垢で純粋な子供の瞳が晶を射抜く。まさか、手を握られて薬指にキス、そしてプロポーズをされてしまうだなんて誰が想像しただろう。
小さな男の子、アリーのプロポーズに晶が顔を染めた瞬間だった。
「………はぁ?」
不機嫌さを顕にさせた赤髪の魔法使い、ミスラの声が響いた。
□
アリーは晶が任務先で出会った男の子。両親共に忙しく働くアリーの家。寂しい想いをしているアリーに寄り添い、傍にいたのは晶で。アリーは晶が大好きになった。もう結婚したいくらいに。
……小さな男の子の初恋だった。
そして話は冒頭に戻る。
晶へ向けられたプロポーズに不満を見せたのはミスラである。自分の賢者が取られるのはムカムカする。自分以外の誰かが晶と生涯を過ごす姿を連想して、無性にイラついたのだ。晶を子供なんかに取られたくないと思った。
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