チェリー・ピンクの日 シニアに上がってから、練習量が増えた。
宝谷という名門シニアでは、一年だからといって練習に上の学年との差はない。付いてこられないのなら勝手に脱落しろ、という競争社会だ。
小学生としてはとても体格が良かった葉流火でも、三年とのフィジカル差はやはりある。投球練習や打撃練習はともかく、ランニングや筋力トレーニングを上の学年と同じようにこなすのは厳しい。毎日練習後にはヘトヘトに疲れている。
だが──葉流火が本当に疲れるのは、家に帰ってからだ。宿題が出ている日に、それを終わらせること。中学になってどの科目もとても難しくなったから、葉流火ひとりではとても宿題はやり遂げられず、いつも圭に教えてもらっている。
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