「メイさん!一緒に年越ししませんか!」
部下であり、相棒でもある花崎夕間から年越しの誘いを受け、暁明星は家族以外の者と初めて年を越すことになった。
両親は健在だが今は別の場所で暮らしており、また今年は海外で暮らす妹あさひのところへ行くということで、今年は一人そばをすすって年を越すものと思っていた。
隣でカートを押しながら、何買いますか?ときらきらした目で見られ、思わず眩しさに目を細める。そういえば、夕間も家族と過ごさないのかと聞こうと思っていたが、本人が語らないのであれば踏み込むのは野暮なことだ。出かけた言葉をぐ、と飲み込んで、とりあえず二人分のそばと、ちょっと豪勢に大きな海老天をかごへ入れる。夕間がビールやカクテル、おつまみを持ってきたのでそれも入れ、年の瀬の買い物を終えた。
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