唐突に始まって終わる。「Aiはどうなんだ」
「……最近、引っ越しただろう」
遊作は酒を一口飲んで言葉を続けた。
「どうしてもキングサイズのベッドを置きたいと言うから、クイーンサイズで妥協させた」
「……」
「俺とAiしか寝ないのに、大きなベッドは必要無いだろう。それに、今まではシングルサイズで何とかなっていた」
了見が黙って先を促すので、遊作は酒を一口飲んで更に続ける。
「正直、クイーンサイズでも大きすぎるが、Aiは大きいベッドで眠りたいらしい。それでも結局くっ付いて眠るなら、ベッドの大きさは関係ないと思うんだが……了見はどう思う?」
「……どう、も何も……いったい何の話だ」
「? Aiの話だろう」
聞かれたことを答えただけで困惑されるとは思わなかった。遊作はサラダを口に運んで了見の言葉を待つ。レタスがシャキシャキしていておいしい。
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