ふわりふわりと舞うAiを眺めている。ドラマで見た踊りを覚えたようで「見て見て!」とねだられた。表情を変え、視線を向けるAiはまるで【誰か】と踊っているようで、心にモヤモヤとした何かが積もる。
「Ai」
『どーしたの、遊作?』
楽しそうに踊っていたというのに、遊作が声をかければぴたりと止まり、近づいてくる。試しに頭を撫でればふにゃんと笑みを浮かべた。締まりのない顔に優越の表情を見せる。
『楽しいことあった?』
「いや……あとどれくらい踊るんだ?」
『えー?いつまでも踊っていられるけど』
疲れることのない身体、飽きがくるまで踊るのだろう。ただ遊作が求めれば優先は変わる。いるはずのない【誰か】に妬いたなんて伝えたらどんな反応をするのだろうか。
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