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    水野しぶき

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    水野しぶき

    MOURNING【ミスオエ♀】わたしの窓
    学パロ オーエン先天性女体化 モブ視点
    モブ女とミスオエ♀の話 女はそれはそれはたいそううつくしい女でいて、わたしは女の持つなにもかもに、炎のような嫉妬心を抱いていたのでした。ただの火ではなく、それはたしかに炎なのでした。炎という字は、火がふたつ重なって、炎と読むけれど、ふたつでは到底足りないほどに、めらめらと燃え盛っているのでした。

     わたしが女をはじめて見たのは、中学二年生のときでした。女は転校生でした。修学旅行もおわり、そろそろ受験に本腰を入れようと、教師が必死になって生徒たちを鼓舞していたころの転校生でした。そんな中途半端な時期に転入してきたというのに、わたしの同級生は皆、女のことを覚えているのでしょう。一生、わすれることはないのでしょう。
     女が教室に一歩足を踏み入れた瞬間、教室の喧騒がしゅるしゅると蛇のようにまるまってゆき、誰もが息を呑んで、女の一挙一動に視線をそそぎました。あれほどまでに〝一致団結〟をスローガンに掲げる二年一組の生徒が団結したことはなかったと思います。合唱コンクールでも、体育祭でも、おそらく球技大会でもなかったと思います。
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