夢の通わぬ路目の前に、ノイジーがいる。
こちらに背を向けて、どこかへ行こうとしている。
ああ、これは夢だ。
お前を、喰べる夢だ。
なんとか留まりたいが、明確に自分はノイジーに近づいて行く。
もしも、もしもコレで。
美味いと思ってしまったら。
本当にお前を喰べてしまうかもしれない。
止まらなければ。
そう思いながら大きく口を開ける。
やっとノイジーが気がついてこちらを見る。
大きく目を見開いて。
「ま、待って下さい!!水浴びて来るので!!」
……水浴び?
夢に脈絡がないのは分かるが、あまりにも無さすぎないか。
「く、口、疲れません?一回閉じましょ?」
ノイジーが怖がりもせず自分の鼻先と下顎をよいしょと押して口が閉じる。
「あの、食べようとしてるんです、よね…?」
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