腕枕と体温①腕枕と体温
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ふと目を覚ますと、胸の前にあたたかな感覚があって、シマカゼに添い寝しているうちに寝てしまったことに気付く。少し高いシマカゼの体温が心地良い。
少しくせのある髪を撫でながら、ゆっくり腕を抜く。ちょっとしびれているが、穏やかに寝ている顔を覗き込むと、満たされた、あたたかい気持ちが広がっていく。
昨夜、始めて身体を重ねたのだ。
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地元名古屋の大学を選んだのは、引き続き名古屋支部に出入りしながら、機械工学が学べる学部があったからだ。支部の人の計らいで、借上げ寮の形で大学近くにアパートを借りられることになった。
忙しくなると泊まり込みになるような時もあると聞き、実家から通えなくはなかったが、大学や支部から通いやすいところにした。
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