ラブソング大学に向かう道中、僕のスマホのバイブレーションがメッセージの通知を知らせた。
僕はポケットからスマホを取りだして、メッセージを確認しようと一旦道で足を止めた。
「……ワタリさん……?」
メッセージの差出人は、恋人の里親になった老紳士の名前だった。
僕は急いでスマホのロックを解除して、メッセージを開く。
『夜神さん、本日エルの体調が芳しくなく感じました。休むように言ったのですが、エルは平気だと言って大学に向かってしまいました。大学で体調が悪化したら、直ぐに家に帰るように言ってください。もし、自分で帰る事が出来ない状態でしたら、直ぐに私に連絡をください。』
僕は、その文章に違和感を覚えて、その一文を呟いた。
「……『自分で帰ることが出来ない状態』……?」
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