「鼈甲」と「ベル」「ヴィレスト・グラスドレーデ」と「ベルツェーリ・コールウッド」は同い年
二人とも貴族で生まれた時から婚約者だった
ある日ベルツェーリは大好きな花畑に行ったきり帰らない
使用人たちが方々探しても見つからず、ただ月日は経過する
遂にベルツェーリは発見に至らず、亡くなったものとされた
グラスドレーデ男爵が子息の婚約者の葬儀は厳粛に執り行われた
ヴィレストも婚約者のために花を添える
空っぽの棺に
月日は経った
ベルツェーリを失ったヴィレストはそれはもう荒れ果てた少年に成長し、使用人や執事を困らせていたという
ある日ヴィレストは孤児院を訪れていた
父親が支援する孤児院である
ゆくゆくは父の跡を継がなければいけないと分かっていても、彼には何も学ぶ気などなかった
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