バレンタインにチョコを強請りに来た五条悟の災難?「つぁっ!」
東北と関西で立て続けに一級事案が起き、珍しく連勤が続いていた日だった。
大阪市内のホテル、東京都立呪術高等専門学校が手配したビジネスホテルの三十二階で眠っていた七海建人は深夜に悲鳴をあげて飛び起きてしまった。気持ちよく眠っていた最中で脚に突然に重みが掛かったためで、反射的に伸ばした手を素早く引っ掴まれる。
「七海ィ、七日振り!」
「……は?」
深夜、どこか冷え冷えとした一室で陽気な声を張り上げたのは間違いなくパートナーの五条悟だった。二度、三度と瞬きを繰り返し、必死に眠気を追い払った七海はにこやかに笑う年上の男を険悪な顔で見据え、苛立ちが籠もった声をこぼす。
咄嗟に視線を流した時計は二時三十二分だった。
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