下水道から外へ出た時、いや、正確にはあの小屋に入ってあの押し入れを見た時から、鶴丸と一期一振は妙な既視感を覚えていた。それと同時に違和感も。本来あるはずのない遠征先の建物、そしてその中にある異常性質を有する物体。迂闊に足を踏み入れたことは事実だが、しかし抗えぬ好奇心があったのも真実なのだ。
荒れ果てた大地、文明の荒廃した世界。本丸空間とも、現世とも違う異質な存在。ひとの気配はおろか、生物の気配すら無い地平。どこからともなく漂ってくる生臭い臭気を見渡しながら、鶴丸は足元に転がる壊れた銃器を蹴り上げた。
「なあ、君はどう思う? 一期。俺の予想がただしければ、これはあの押し入れの先の冒険なんじゃないかと思うんだが」
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