アスラン=BBII世
endoumemoP
DONE東雲荘一郎とアスラン=BBⅡ世:アスランさんのあかんとこ:二人がドンキに行く話東雲荘一郎とアスラン=BBⅡ世:アスランさんのあかんとこ:二人がドンキに行く話 裏返してラベルを見れば、アルコール度数は十五度程度のリキュールらしい。直に飲むにはやや強いか、と思いながらも、ガラスに透ける酒色はステージライトのように華やかで、Café Paradeの店舗を楽しく彩るかもしれないとアスランは直感する。
「ソーイチローよ、この魔涙は――」
六個入りのパックを持ち上げてアスランが荘一郎に振り返ると、荘一郎はアスランの手からパックを奪って売り場に戻す。
「うちでは使わないですよ」
「……うむ、そうだが……」
「ほら、もう行きますよ。買い忘れはありませんね?」
有無を言わせぬ口調の荘一郎に連れられて、アスランは後ろ髪を引かれつつ店を出る。
「ソーイチローよ、あの魔酒はどのような……」
468「ソーイチローよ、この魔涙は――」
六個入りのパックを持ち上げてアスランが荘一郎に振り返ると、荘一郎はアスランの手からパックを奪って売り場に戻す。
「うちでは使わないですよ」
「……うむ、そうだが……」
「ほら、もう行きますよ。買い忘れはありませんね?」
有無を言わせぬ口調の荘一郎に連れられて、アスランは後ろ髪を引かれつつ店を出る。
「ソーイチローよ、あの魔酒はどのような……」
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DONE神谷幸広とアスラン=BBⅡ世:此度の眠りに底はなく:二人が寝坊する話神谷幸広とアスラン=BBⅡ世:此度の眠りに底はなく:二人が寝坊する話 恵まれた週周りのクリスマスが終わり、神谷幸広は日がすっかり昇ってから目を覚ました。
クリスマスイブから働きづめで、昨夜はカフェパレードの面々と少し遅いパーティがあった。三名を見送って自宅へ戻ると糸が切れたように疲労が襲いかかり、かろうじてベッドに潜り込んだところまでは記憶が残っている。
時計を見れば、いつもの起床時間よりずっと遅い。アスラン=BB二世はもう起きて朝食を終えたことだろう――毎朝、アスランの作る朝食の香りで目覚めるのは密かな楽しみだったが、今日はもう香りも窓の外に逃げた後だろう。
「おや……?」
しかし、自室を出ると廊下にはトーストの香りが漂っている。
キッチンからは何かをかき混ぜる音と、低く聞こえるアスランの歌声。皿洗いより料理に近い音だと思いながら幸広がキッチンを覗くと、コンロの前にはアスランの後ろ姿があった。
691クリスマスイブから働きづめで、昨夜はカフェパレードの面々と少し遅いパーティがあった。三名を見送って自宅へ戻ると糸が切れたように疲労が襲いかかり、かろうじてベッドに潜り込んだところまでは記憶が残っている。
時計を見れば、いつもの起床時間よりずっと遅い。アスラン=BB二世はもう起きて朝食を終えたことだろう――毎朝、アスランの作る朝食の香りで目覚めるのは密かな楽しみだったが、今日はもう香りも窓の外に逃げた後だろう。
「おや……?」
しかし、自室を出ると廊下にはトーストの香りが漂っている。
キッチンからは何かをかき混ぜる音と、低く聞こえるアスランの歌声。皿洗いより料理に近い音だと思いながら幸広がキッチンを覗くと、コンロの前にはアスランの後ろ姿があった。
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DONE神谷幸広とアスラン=BBⅡ世:秘せられし翠色の魔酒:神谷とアスランがサラダを食べる話神谷幸広とアスラン=BBⅡ世:秘せられし翠色の魔酒:神谷とアスランがサラダを食べる話 ベビーリーフとレタスにドレッシングをかけただけのサラダも、アスラン=BB二世の手にかかれば極上の一品になると神谷幸広は知っていた。
「!」
ドレッシングはほぼ透明。オリーブオイルと塩を混ぜただけにも見えたのに、口にしたとたんに香ばしい刺激が舌を走った。
「驚嘆すべき魔香であろう!」
幸広がサラダの一口目を頬張る瞬間を見計らってアスランが高らかに告げる。爛々と輝く瞳からして、今日のサラダの味付けには何か工夫が凝らされているらしい。
「待ってくれ、アスラン」
顔面いっぱいに笑みを広げるアスランが種明かしをする前にと、幸広は口の中に広がる味わいへと意識を研ぎ澄ませる。
オリーブオイルと塩の風味は確かにあり、そこに何かを足したのだろう。香ばしさからはナッツを連想するが、テーブルに置かれたサラダボウルの中にはナッツの破片はひとつもない。ドレッシングが透明なことから考えても、ナッツのペーストすら入っていないのだろう。
934「!」
ドレッシングはほぼ透明。オリーブオイルと塩を混ぜただけにも見えたのに、口にしたとたんに香ばしい刺激が舌を走った。
「驚嘆すべき魔香であろう!」
幸広がサラダの一口目を頬張る瞬間を見計らってアスランが高らかに告げる。爛々と輝く瞳からして、今日のサラダの味付けには何か工夫が凝らされているらしい。
「待ってくれ、アスラン」
顔面いっぱいに笑みを広げるアスランが種明かしをする前にと、幸広は口の中に広がる味わいへと意識を研ぎ澄ませる。
オリーブオイルと塩の風味は確かにあり、そこに何かを足したのだろう。香ばしさからはナッツを連想するが、テーブルに置かれたサラダボウルの中にはナッツの破片はひとつもない。ドレッシングが透明なことから考えても、ナッツのペーストすら入っていないのだろう。