カフェ
kikhimeqmoq
DONEチヒ隊 2025/01/19 チヒロと巻墨61話、カフェでランチを食べた後に京都へ向かうチヒロと巻墨の小話。63話で巻墨の名前が判明して嬉しくて書いた。チヒ隊かどうかは微妙な感じで特に何も起こらない。
豪快に京都へ「車で行くんですか?電車の方が早くないですか」
店を出てさっそく駅に向かおうとした千紘を巻墨は引き止め、車で移動すると告げた。
「車の方が安全だろ。装備もしてあるしな」
隊長は得意げに説明した。斜めに切り上がった口端が車への自信を表していた。可愛らしいな、と千紘は感じたが黙っていた。それより装備ってなんだ?
「装備とら?」
「武器や小道具が車に隠してあるんですよ」
炭がすかさず説明した。
「へえ」
さすが忍びだ、と千紘は感心した。その評価が伝わったのか、隊長は満足げに頷いた。こくり。
「じゃあ、車を出しますから、ちょっと場所を開けてください」
炭の依頼に千紘は振り返った。駐車場はどこだろう。きょろきょろと周囲を見渡す千紘の肩を、杢は長い腕で掴んだ。最初は肩を強く掴まれたが、すぐに柔らかく抱きかかえられ、店の脇へそっと移動させられる。杢の腕も身体も熊のように大きく、肩を抱かれただけなのに、千紘は全身を包まれた気持ちになった。なんだか温かい。杢と千紘は、歳はさほど離れていないと聞いた。実際、杢は隊長や炭よりも若者らしい軽い発言が多い。しかし、なんとはなしに信頼したくなる安定感が杢にはあった。身体の大きさだけではない。ほどよい雑さと丁寧さのバランスが好ましあのだと思う。
2715店を出てさっそく駅に向かおうとした千紘を巻墨は引き止め、車で移動すると告げた。
「車の方が安全だろ。装備もしてあるしな」
隊長は得意げに説明した。斜めに切り上がった口端が車への自信を表していた。可愛らしいな、と千紘は感じたが黙っていた。それより装備ってなんだ?
「装備とら?」
「武器や小道具が車に隠してあるんですよ」
炭がすかさず説明した。
「へえ」
さすが忍びだ、と千紘は感心した。その評価が伝わったのか、隊長は満足げに頷いた。こくり。
「じゃあ、車を出しますから、ちょっと場所を開けてください」
炭の依頼に千紘は振り返った。駐車場はどこだろう。きょろきょろと周囲を見渡す千紘の肩を、杢は長い腕で掴んだ。最初は肩を強く掴まれたが、すぐに柔らかく抱きかかえられ、店の脇へそっと移動させられる。杢の腕も身体も熊のように大きく、肩を抱かれただけなのに、千紘は全身を包まれた気持ちになった。なんだか温かい。杢と千紘は、歳はさほど離れていないと聞いた。実際、杢は隊長や炭よりも若者らしい軽い発言が多い。しかし、なんとはなしに信頼したくなる安定感が杢にはあった。身体の大きさだけではない。ほどよい雑さと丁寧さのバランスが好ましあのだと思う。
Tyoruisan_table
SPOILER鰯と柊 現行未通過❌いわひらコラボカフェ行ってきました…!
スタッフさんの遊び心が素敵でとても楽しかったです…!
コラボカフェに持ってく用に描いたあれこれもぺたり 7
みずひ梠
DOODLE【セガコラボカフェ妖怪松】おとなっぽいこどもの天狗とこどもっぽいおとなの化け猫のお話
小鳥達の声に混ざって、子供達の囀る声が聞こえる。
閉じた瞼の先より漏れてくる光は、寒々しい此の頃らしく僅かに青みを帯びていた。
嗚呼、──退屈だ。成さねばならぬことがあるというのに、此の矮小な体躯では不可能に近い。徒然なるままに日暮、硯に向かひて心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつく……れるならば良いものの、残念ながら此処には其の硯すらもない。
『追いかけっこ』なるものをする子供等程の体力も気力も無い。
故にこうして適当な木に腰掛け、全身を持ってして自然を感じるくらいしか──俗に言う『ぼーっと』するしか──成せることがないのだ。
己の此の姿を見留めたのか、近寄ってくる足音が一つ。そこいらでじゃれている子供等のものでも、戦場で身を潜めるような気の張り方をしたものでもない。ならば此れは化け猫、椴松のものだろう。
2335閉じた瞼の先より漏れてくる光は、寒々しい此の頃らしく僅かに青みを帯びていた。
嗚呼、──退屈だ。成さねばならぬことがあるというのに、此の矮小な体躯では不可能に近い。徒然なるままに日暮、硯に向かひて心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつく……れるならば良いものの、残念ながら此処には其の硯すらもない。
『追いかけっこ』なるものをする子供等程の体力も気力も無い。
故にこうして適当な木に腰掛け、全身を持ってして自然を感じるくらいしか──俗に言う『ぼーっと』するしか──成せることがないのだ。
己の此の姿を見留めたのか、近寄ってくる足音が一つ。そこいらでじゃれている子供等のものでも、戦場で身を潜めるような気の張り方をしたものでもない。ならば此れは化け猫、椴松のものだろう。
蓮華(れんげ)
REHABILIマリアンヌちゃんに「ボスありがとう」と言ってほしかった習作。カフェメンがクロスギルドに合流してる世界線。某方の影響を受けていないと言えば嘘になります。
🐊と🎨 海が見える岸辺。
少女は右手に筆を持ち、左手にパレットを持ち。眼前に広がる青い景色を、ペタペタとキャンバスに塗っていく。
「ボスには、感謝しているわ。」
筆先で青色を重ねながら、少女は隣の男に話しかけた。大きな身体にファーコートを纏った男は、葉巻を咥えながら、少女と同じように目の前の景色を眺めていた。
「何を感謝することがある?」
「色々あるわ。」
「ほう?」
少女はチラリと男の方を見た。男の顔は見えなかった。少女より背が高すぎるし、立派すぎる毛皮が、男の顔を隠してしまっている。
少女はパレットを置いた左手の指を折り、話を続けた。
「えーっと、まず会社に入れてくれたことでしょ。それにお給料をくれたこと、仲間をくれたこと…」
842少女は右手に筆を持ち、左手にパレットを持ち。眼前に広がる青い景色を、ペタペタとキャンバスに塗っていく。
「ボスには、感謝しているわ。」
筆先で青色を重ねながら、少女は隣の男に話しかけた。大きな身体にファーコートを纏った男は、葉巻を咥えながら、少女と同じように目の前の景色を眺めていた。
「何を感謝することがある?」
「色々あるわ。」
「ほう?」
少女はチラリと男の方を見た。男の顔は見えなかった。少女より背が高すぎるし、立派すぎる毛皮が、男の顔を隠してしまっている。
少女はパレットを置いた左手の指を折り、話を続けた。
「えーっと、まず会社に入れてくれたことでしょ。それにお給料をくれたこと、仲間をくれたこと…」