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    カフェ

    粥のぽいぴく

    MOURNING執事カフェのガとヴィの話
    CP未満ではありますが、そのように見えるかもしれません。左右は特に明記していませんので、その場合はお好きな解釈でどうぞ

    相互さんへの捧げ物でした☕️
    「お帰りなさいませ、ガスト坊ちゃま、アキラ坊ちゃま」
     ヴィクターが手伝いをしていると聞いたカフェに赴き、店内に足を踏み入れるとガストは聞き慣れた心地よい低音に出迎えられた。しかし、聞き慣れない呼び名で呼ばれたことに衝撃を受け、一瞬その場で動きを止める。一緒にやって来たアキラに横から声を掛けられるまでの短い間、確実に意識はどこか遠くへ飛んでいたようだった。
    「ははっ、ガスト坊ちゃまだってよ。似合わねーな」
    「言われなくてもわかってるって」
     アキラからの言葉に苦笑しながらそう返す。正直アキラも人のことは言えねぇだろ、とガストは思いつつも、自分の似合わなさと比べるとそこまででもないか、と思ったことを胸にしまった。ガストは事前にSNSでこのカフェの評判を見たことがあったが、そこにはヒーローが執事として給仕してくれる事への物珍しさを綴った感想や、対応の素晴らしさ、執事が格好よかった、可愛かった、お出迎えから虜にされた、なんて意見が多く見られた。実際にお出迎えを体験した今、なるほど、これは確かに威力があるな、なんてどこか冷静に先ほどの衝撃をガストは思い返した。執事をコンセプトにしたカフェなのだから、客もそのように扱われるのは不自然なことではない。むしろ、予想できることであったはずなのに予想以上の衝撃を受けてしまったことに、ガストは自分でも少し驚いていた。
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    ヒイロシュージ

    PAST2018年末に刊行されたヴィラム・オルゲンのアンソロジー「戦場のカフェテリア」に寄稿させて頂いたものです。
    ドルキマス2直前のヴィラムが過去から今までに想いを馳せながら独白するお話です。何から何まで捏造しかないのでご注意ください。当時ドルキマス3までしか出ていなかったので多少設定に齟齬があります。ご了承ください。
    ヴィラム・オルゲンはいいぞ。
    【黒ウィズ】【ドルキマス】Reminiszenz その男の追憶「オルゲン!いいかな」
     空軍城塞に停泊していた戦艦内で照明の配線確認を行っていた俺は、不意に上官からそう尋ねられた。
     別に上官に声をかけられるのは特段珍しいことではない。むしろ俺の上官は、どちらかというと機会を見ては話しかけてくるタイプの人間だった。俺は自分自身を人付き合いが良い方だとは思っていないが、不思議なことに彼が話しかけてくるのは嫌いではなかった。
     男の名はブルーノ・シャルルリエ。ドルキマス空軍第三艦隊副司令官の彼こそが、俺の直属の上官だった。驚く程良く通る声の持ち主で、どんな過酷な戦場からも生還することから「不死身のシャルルリエ」という二つ名もついている。第三艦隊はドルキマス人だけでなく素性が怪しい奴や問題児が集まる「ならずものの外人部隊」ということもあってか(先に断っておくが俺はあくまで整備兵として第三艦隊に配属されたのであってこの限りではない)、大体の連中は彼をブルーノさんと気さくに呼んでいる。俺も公の場では閣下と呼んでいるが、そうでないときは「さん」付けをしていた。酒癖が悪いのが玉に瑕で…これ以上はよしておいたほうがいいだろう。
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