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    スミレ

    badger_0107

    DONE■ベス野郎さまのイラスト(https://x.com/bessyarou/status/1776973171662749983)が素敵すぎて、ご本人様の許可を得て書かせていただいている神様小黒と天仙無限のパラレルです
    ■科白のあるモブ多数
    ■紫羅蘭ちゃんは「スミレ」でいいか不明ですが、展開上カタカナ表記にしたかったため、得られる情報の範囲でこの表記としています。
    春の神様(2)【黒限】 にこりともしないしシャオヘイを猫よばわりするし、良いヤツとはとても思えないけれど、美味しいご飯を食べさせてくれるから悪いヤツでもない。そう思っていたムゲンにはしばらく警戒を解かずにいましたので、別れがたいほどに仲良くなったのは、春の終わりが目の前まで来てからでした。ある日の「再見(さよなら)」でずいぶん長く頭を撫でてくれて、それが今年のお別れだったと知ったのは翌日になってから。昨年まで関心のなかったシャオヘイは、ムゲンがこの地に春を楽しみに来ているだけとは知らなかったのです。
    「大丈夫、来年もまたいらっしゃるから」
     ムゲンが天へ帰ってしまったと知って無言で大粒の涙を零していたシャオヘイを、スミレが一生懸命慰めてくれます。そしてムゲンが再びこの地へ戻ってくるまでの夏と秋と冬の間に、たくさん話を聞かせてくれました。
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    badger_0107

    DONE■ベス野郎さまのイラスト(https://x.com/bessyarou/status/1776973171662749983)が素敵すぎて、ご本人様の許可を得て書かせていただいている神様小黒と天仙無限のパラレルです
    ■科白のあるモブ多数
    ■紫羅蘭ちゃんは「スミレ」でいいか不明ですが、展開上カタカナ表記にしたかったため、得られる情報の範囲でこの表記としています。
    春の神様(1)【黒限】 耳の先を撫でた一陣の南風に、丸くなって昼寝していたシャオヘイは頭をもたげました。湿った鼻の先を、むぐむぐと蠢かします。
    『来た』
     明るく晴れた春の空を、じっと見上げます。
     砂糖菓子のような白い雲の合間に五色にきらめく彩雲があらわれて、その端がすうっと梯子のように地まで伸びてきました。
     藪に埋もれる小さな小さなシャオヘイの廟は、盛りの近い春の花たちに彩られ、甘い香りに包まれています。その両端の反った屋根から飛び降りて、一心に走り出しました。向かう先は、もうすぐ満開の桃の林です。目を反らさずに見つめ続ける彩雲の端は薄紅の霞さながらの林の上にかかり、その中に一つの影が浮かびました。シャオヘイの大きな耳に聞こえてくるのは猫よりも密やかな足音、真っ黒な鼻へ届くのは春よりも芳しい香り。
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