スーパーモデル
last_of_QED
DONEガラハイ🐺🦇【モニター越しのスーパーモデル】私を、見て。X(Twitter)に上げたものです。記録用。
【モニター越しのスーパーモデル】 テレビに知らない男が映る。中性的で端正な顔立ち。その細身のモデルは長い脚で花道を颯爽と歩く。名をハイドと言うらしい。偶然にも今俺の隣ですっかり空気が抜け、ぺしゃんこになってしまっているのもハイドという名前だ。そういえば彼もまたモデル業をやっている。
「どうだ、私の仕事ぶりは」
「……これ、本当にハイドさんか?」
「失礼な奴だな。どこからどう見ても私だろう」
視力が落ちたんじゃないか? そう笑うと俺の下瞼をぐい、と剥き瞳を覗き込む。まったく、無礼な吸血鬼だ。モニターの奥の繊細そうなモデルは間違ってもこんなガサツな真似はしないだろう。
テレビの奥では次々とモデルたちがランウェイを闊歩する。高級ブランドの新作発表とやらは一体どこに着て行くためのものなのかさっぱり分からない……流行の最先端の衣服を彼ら彼女らに纏わせて、煌びやかだった。
1871「どうだ、私の仕事ぶりは」
「……これ、本当にハイドさんか?」
「失礼な奴だな。どこからどう見ても私だろう」
視力が落ちたんじゃないか? そう笑うと俺の下瞼をぐい、と剥き瞳を覗き込む。まったく、無礼な吸血鬼だ。モニターの奥の繊細そうなモデルは間違ってもこんなガサツな真似はしないだろう。
テレビの奥では次々とモデルたちがランウェイを闊歩する。高級ブランドの新作発表とやらは一体どこに着て行くためのものなのかさっぱり分からない……流行の最先端の衣服を彼ら彼女らに纏わせて、煌びやかだった。
suzume0406
DONE豪華客船と怪盗団の自陣営出会いの話です。ギャンブラーとスーパーモデルのお話。 七星ツキは困っていた。
彼の目の前には、ルーレットがある。あのカジノによくある、大きなホイールと黒と赤のチップを置く場所が表示されているマットがついてあるやつだ。そのルーレットの前に座るツキの手には、先ほどまで夥しい量のチップがあった。金額は、良く分からないがおそらくとても高額だったのだろう。
それも先ほどまでの話である。ツキは、先ほど持っているチップを一つの数字に全てベットし、負けた。結果、手にしていた莫大な金は失われ、今やツキは一文無しだ。常人であれば発狂してもおかしくない状況だが、ツキは何も感じていなかった。いや、困っていはいたが。
(まずい……。楽しくてまたやっちゃったかも……)
ツキはギャンブラーなのだが、金よりもギャンブルという行為そのものを愛していた。熱中しきると、帰りの交通費なんて吹っ飛んでしまうくらいには、ギャンブルに目がないのである。あの、持っているもの全てを賭ける時に感じる血が沸き立つ感覚が、追い詰められたときに感じる己の心臓の音を聞くことがツキはいっとう好きなのだ。
5861彼の目の前には、ルーレットがある。あのカジノによくある、大きなホイールと黒と赤のチップを置く場所が表示されているマットがついてあるやつだ。そのルーレットの前に座るツキの手には、先ほどまで夥しい量のチップがあった。金額は、良く分からないがおそらくとても高額だったのだろう。
それも先ほどまでの話である。ツキは、先ほど持っているチップを一つの数字に全てベットし、負けた。結果、手にしていた莫大な金は失われ、今やツキは一文無しだ。常人であれば発狂してもおかしくない状況だが、ツキは何も感じていなかった。いや、困っていはいたが。
(まずい……。楽しくてまたやっちゃったかも……)
ツキはギャンブラーなのだが、金よりもギャンブルという行為そのものを愛していた。熱中しきると、帰りの交通費なんて吹っ飛んでしまうくらいには、ギャンブルに目がないのである。あの、持っているもの全てを賭ける時に感じる血が沸き立つ感覚が、追い詰められたときに感じる己の心臓の音を聞くことがツキはいっとう好きなのだ。