はっぴーはろうぃん！「トリックオアトリート！」



子供達が今日限定の合言葉を云い乍ら街を練り歩く。今夜は街中がオレンジや黒の装飾に彩られ、ランタンや風船が吊るされている。私はそんな子供達の様子を横目に見て路地裏へと入った。

子供達の声も聞こえなくなってきた辺りで、前方にぼんやりとした灯を見つけた。



「もしかして…否、もしかしなくてもあの店だね」



やつがれに待ち合わせ場所として指定されたバー。此処はポートマフィアの息がかかった場所で、よく取り引きに使われるらしい。私に云っていいの？とも思ったけど、もうすぐ取り引き拠点を別に移すらしく、ほぼ用済み状態だそう。まぁそうか、ずっと同じ場所で取り引きしていたら直ぐに足がついちゃうし。



「こんばんは。久しぶりだね、二人共」

元気な雛チョコボを寝かしつけるヒカウリエオルゼアの大地が夕日の光で染まり始めた頃、カルヴィンとウリエンジェは、草の茂った丘の上で小さな雛チョコボと遊んでいた。温かい夕日の下で、元気に飛び跳ねる雛チョコボは、その黄色いふわふわした毛並みがオレンジ色に輝いて見える。笑顔でその姿を見つめる二人のエレゼンの男性。それがこの日の風景だった。

「ねぇ、もうすぐ寝る時間だよ」とカルヴィンが言い、ワンピースのような羽毛をくすぐるように指でなでる。しかし、雛チョコボはまだ遊び足りないのか、元気に飛び跳ねていた。

「我々がどれだけ説得しても、この子はまだ眠りたくないようですね。」ウリエンジェは、雛チョコボの活発な動きを見ながら微笑んでいた。

「うーん、それなら…」とカルヴィンは考え込む。彼はそっと雛チョコボを抱き上げ、草の上に横たえた。そして、優しく撫でるようにその小さな体をなで始める。