トーデン
aoi
DOODLE以前お題募集した際のトーデン兄妹の話。島に渡ってすぐくらい。
借りている宿屋の一室は、冬になると底冷えが酷かった。
メリニは北方と比較すると温暖で日中は暖かいが、夜になると冷える。四方を海に囲まれているからか風が強い日も多かった。
くしゅっと、くしゃみを一つすると腕を摩る。今夜もよく冷えそうだ。
「兄さん、大丈夫?」
「ああ」
マグカップを二つ手に持ってこちらへ歩み寄ってくるファリンから、一つを受け取る。
マグカップからは湯気が立ち上っていた。
中身は湯にほんの数滴の絵の具を垂らしたような薄い色をした茶だ。もう何煎目か分からないが、金がない状況では贅沢は言っていられない。
二人はテーブルを囲んで、薄い茶の味をじっくり堪能する。
飲み終わってからも微かに熱の残るマグカップを両手でしっかりと持ち、二人は熱を逃さないようにしていた。
1301メリニは北方と比較すると温暖で日中は暖かいが、夜になると冷える。四方を海に囲まれているからか風が強い日も多かった。
くしゅっと、くしゃみを一つすると腕を摩る。今夜もよく冷えそうだ。
「兄さん、大丈夫?」
「ああ」
マグカップを二つ手に持ってこちらへ歩み寄ってくるファリンから、一つを受け取る。
マグカップからは湯気が立ち上っていた。
中身は湯にほんの数滴の絵の具を垂らしたような薄い色をした茶だ。もう何煎目か分からないが、金がない状況では贅沢は言っていられない。
二人はテーブルを囲んで、薄い茶の味をじっくり堪能する。
飲み終わってからも微かに熱の残るマグカップを両手でしっかりと持ち、二人は熱を逃さないようにしていた。