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    パラドックス

    januar00kate99

    PASTまだ平穏だった頃の未来の話。
    カードショップで働く「僕」は、困っている様子の客に声をかけた。
    彼は、生まれたばかりの息子に贈るデッキに迷っているようだ。

    ※未来の世界の一般人視点のお話。
    ※Sinデッキが未来で普通に販売されていたデッキだったら?という妄想です(カード効果はアニメ版に準拠)。
    ※パラドックスの家族に関するあらゆる要素を捏造しています。
    ※その他、あらゆる要素が作者による幻覚です。
    とある父親の贈り物 街も微睡む土曜の昼下がり、僕が働くカードショップにも、ゆったりとした時間が流れていた。だからなのか、僕はさっきから、落ち着かない様子でガラスケースの中を眺める一人のお客さんのことが気になっていた。彼は三〇分ほど前に来店して以来、この狭い店内をぐるぐると歩き回ってはカードを吟味し、困ったようにため息をつくということを繰り返していた。
     はぁ、とまた小さくため息の音が聞こえる。僕はついに声をかけた。
    「お困りでしたら、お手伝いしましょうか?」
    「良いのかい?」
     俯けていた顔を上げ、その人はぱっと表情を明るくした。鮮やかな金の瞳が、安堵したように細められる。
    「何かお探しでしたか?」
    「実は先日息子が産まれたんだが、初めて贈るデッキを何にしようか、迷っていてね」
    3276

    -ねね-

    DOODLE「昔日の星を紡ぐ」 あとがき


    約1年半ちまちま進めていましたが、無事に完結させる事が出来ました…!
    描きながら嬉しいお言葉たくさんいただけて頑張る糧になりました…!

    長編漫画を描いたこともない癖に(そのうえ漫画ソフトですらない)なんとなく頭の中にある自宅の妄想を全部吐き出して形にしたいな、と思ったのがきっかけで筆を執りましたが、ろくなネームも起こさず、セリフのみスマホで打ち下書きしながら進めていったせいか約130ページという膨大なページ数となりました…。
    前に翡翠漫画を描いた時にコマ割へったくそだな…4コマのが楽かも?多分100ページ以内には収まるだろ、とスケ管ガバガバでスタートでした。
    読んでいてもスクロール大変だったと思います…すみません。

    絵を描くのとは違う表情や登場キャラの感情描写など慣れなく難しい事もたくさんありましたが、趣味の範囲ですのでとりあえず形にしたい一心でした。
    セリフがつく分、キャラ個々の性格設定に自分の思考も混ざり…表現や捉え方は色々あると思うので解釈しづらい場面もあったかと…。
    話の進め方や展開を考えるのは楽しかったので、ほぼ自己満足ですがどこかに刺さっていたら嬉しいです。

    長い間読んでいただきありがとうございました!

    2024.6 ねね













    (↓ここからはメモ的なもの)

    ●補足や設定など

    誰が主人公か、と言われたら3人なんですが、アルシャ・キテン・ナナシはそれぞれ生きづらさや偏見を向けられ、他人に作り上げられてしまった人物像に抗う共通点を持たせたかった。
    不登校やタイムマシンなどの本編の要素や図鑑説明や能力も織り交ぜつつ、自宅の妄想要素も入れられたらなと…。

    ネタは星、四柱推命、卜占(知識はない)辺りから。

    役割も
    光を与える恒星(アルシャ)
    恒星の反射光で光ることができる惑星(四災)
    星に影を作る星喰(ナナシ)

    恒星の光で明るく照らされる惑星 → 正の感情を取り入れ縁起物としてあることができる
    星に影を落とす現象の星喰い → 負の感情を落とし厄災化

    みたいな立場で当てはめてました。

    名前も星座や惑星+喜怒哀楽から取ってましたが、パラドックスは全員名前無しです(ウルトくんはいただいた子なので例外)



    ●タイトルの「昔日の星を紡ぐ」

    昔日→過去の日々。これはナナシにとっては時間遡行は全て過去の出来事であり、星は名前や役割、それらを繋げるという意味でつけました。
    最初奮闘記だったんですよ、タイトル全然思い浮かばなくて……。




    ●登場人物

    【アルシャ】
    両親が他界、近所のお姉さん(スピカ)宅で面倒を見てもらっていたため、迷惑かけないようにしなくては、が第一でヒトの顔色を伺うことに長けてしまった。
    ヒトを避け、自分の考えが揺らいでいたけど、自分の選んだ事に悩みながら進んでいく優しい子にしたかった。


    【キテン】
    人伝手に知れ渡ったイメージと本質を知らずに作り上げられた悪を被ったお兄さん。目隠れキャラは初かも…。
    蓋を開けてみたら人情味もあり、本人も感情の葛藤をしている。ただ好き嫌いははっきりしている性格なので自分の許した相手にはとことん優しくするけど、それ以外には当たりが強い。

    当初は厄災化寄りの状態で進めていこうと思ったんですが、厄災達の考察や元ネタなどを調べていくうちにもしかしたら周囲の影響で悪とされた被害者側かも…?と考え、性格というよりは意識が二面性に分かれるようにしました。

    厄災はキテン・ラクカは元ヒトなのでアルシャ逹ヒトに対して理解も会話も成立しますが、カイド・トアイは元神霊(神様)のため態度デカいし偉そうです。


    【ナナシ】
    幼い子供の独占欲や感情の整理が追いつかない、愛情不足で孤独を表現したくて…たくさん辛い思いさせました。
    感情の題材は善し悪しの境界線や振り分けはそれぞれだし、イコール悪い事に設定してしまう思考や解釈違いが難しいかな、と思ってたので擬人化の設定程度に見ていただければ幸いです。


    【ウルト】
    ハネと交換でいただいた子です。
    伏線だらけで不安要素しかない物語へ招いてしまって大丈夫だっただろうか…。
    ナナシの本質を見抜いている存在としてルート分岐させるキーパーソン。ウルトくん自身もナナシと同じ力を持っているので物語中での状況の理解は早い。
    知り合ったからには友達としてナナシを救いたい、影からアルシャとキテンを誘導していた存在なのでアルシャ逹からしたら謎を残した子。


    【四災】
    喜怒哀楽の感情をそれぞれ特化として取り込み、それらの正負の感情を力とする。
    個人解釈ですが、「喜び」や「怒り」の感情を正負の二つに分けるとしたら、正は純粋な気持ちや誰かの為の感情、負は自分勝手だったり、他人の損を顧みないなどかな、と。
    正負の気は近くに在れば取り込んでしまいので付喪神達は受け身。

    付喪神になった時点で人間の悪い感情や王様の欲望、ナナシの村の者がナナシを生贄にするとこで得る喜びやキテンがいなくなればアルシャを独り占め出来るなどの感情が厄災化させる原因。
    アルシャが無意識にキテンに向けてる感情は一緒にいて嬉しい純粋な好意なのでこれらの感情を集めると縁起物となる。

    個々については他の厄災達は特に出番なかったので割愛…。四災のボスはカイドです。




    何か設定でひらめいた事あれば描いていこうと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございます!