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    ルシフェル

    ngmch_

    MOURNING「手のかかること」収録
    研究所時代ファーベリ
    ルシフェル様とは割と仲のいいベリアルです
    ひとの言う美味しさが何かわかならい獣、わかりたい獣の話
    !血は一滴も出てません!
    ペパーミントと百度の紅茶「ねえファーさん、それ本当に美味しいのかい?」
    たかが栄養補給に見た目なんて、とは言っても、あまりにも目の前に積まれたそれらは、無機物だった。噛み砕かれる音も文字通り味気がない。
    「不都合はない」
    だって、でも、と食い下がる獣に、人間は言い放つ。
    星晶獣お前にその機能は備え付けていないというのに、未知領域の理解への苦心など」
    最後は少し嘲笑ぎみだった。食事を邪魔された人間は特に指図せず、その不愉快そうな声に乗せて、さっさと獣を部屋から追い出したがっているようで、日頃からその者の対応に慣れた獣にそれが分からない筈はなく、自ら扉を開いて部屋から出ていくより他なかった。


     獣には、人の言う美味しさの正体が一体なにで出来ているか、見当すらつかないし、きっと当てずっぽうで正解を見つけることも出来ない。舌が全く不能の無感であるわけでなく、痛みや温度のような刺激は感じられる。が、そんなもの、足の裏でやったって同じじゃないか。
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