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    ワールドトリガー

    palco_WT

    DONEオール・ダージュplus5

    二十歳になった弓場ちゃんと王子と記憶の中の神田。
    タイトルに困ったあげく、ブランデーの十五年もの+5で二十年って意味にこじつけた。゚(゚´Д`゚)゚。
    ランク戦と遠征選抜試験の三月が過ぎ、四月を迎え五月を控える、世間ではゴールデンウィークと呼ばれる頃、弓場は二十歳になった。
     一日早く二十歳になった生駒を含めた同輩のみならず、気のいい隊員や、元隊員たちはせっかくだからパーティでもしませんかなどと可愛いことを言ってはくれたが、せっかくのランク戦オフシーズンで任務だけしか決まった予定の入ってない貴重な時期、どうせなのだから巧くスケジュールをやりくりして、授業のない期間にしか出来ないことをしろ、ときっぱり断ったのだった。
    「……って俺は言ったはずだぞ、王子ィ」
    「承知してます。だからこれはぼく個人の用向きです」
     築二十年という、奇しくも弓場と同い年のアパートの玄関の前に立っているのは、かつての部下であり、今では同じB級隊長として競い合う好敵手でもある若者だった。明るい色のトップスにサマーカーディガンを羽織り、タッセルのついたバブーシュという少女めいたコーディネイトが似合う彼は、ひょい、と手にしていた小さめの可愛らしい紙袋を顔の高さまで持ち上げてみせた。
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