「ケイゴ、指輪作るか」
　なんの予定もない土曜の昼だった。遅く起きて、モリヒトが作ったチャーハンを向かい合って食べていた。オイスターソースとウスターソースを両方使うのがキモなんだと炒飯の蘊蓄を一通り話したあとに、モリヒトは指輪を作ろう、と言った。
　指輪？と思わず聞き返そうとして、せまいリビングの棚の上に置いてある卓上カレンダーが目に入って、ひとり納得した。モリヒトと友達以上の関係になってから、ちょうど十年くらい経つ時期だ。自信はないけど、たぶん。
「いいんじゃない」
　モリヒトは区切りとかそういうのを大事にする人だから、モリヒトが今作るというなら、今がちょうど良いのだろう。なんのためにとか、どういう意味のとか、そんなことは聞かない。聞いたってその指輪がオレたちを証明する道具になることはないのだし、オレたちはオレたちを誰かに証明するつもりはない。ただ、モリヒトから言ってくれたことが嬉しかった。揃いの指輪を嵌めようと、思ってくれたことが嬉しかった。

【纺英】爱恋心*
现在……是白天还是黑夜？她睁开眼，眼前的是一片无尽的黑暗。那片黑暗拥有着丝绸柔顺的质感，天祥院英智神思仍在恍惚，她不记得自己有戴着眼罩入睡的习惯。
她试图抬手，却动弹不得，英智心中一凛，才察觉到自己现在的姿势十分别扭：她的手腕上传来同样被丝绸绑缚住的触感，她的双手张开，被绑在床铺的两头，无法挣脱。冷静，她提醒自己，天祥院英智，冷静。
英智试着动了动身体，塔夫绸质地的荷叶边睡裙，被子上有着被仆人熏过的橙花与薰衣草的香气，不远处传来落地座钟熟悉的嘀嗒响声，这是她睡惯的羽绒睡床，一切都是她所熟悉的东西。
谁这么大胆，敢在自己的卧室里，把自己绑起来？天祥院的心头浮现出不悦，回头该好好教训一下那个家伙才是。她再次用力地晃动了两下手臂，丝带绞紧英智的手腕，她不爽地哼了一声，黑暗中忽然轻轻地响起了柔和的询问声。