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    帰国子女

    murasaki9721

    DOODLEもっちゃんとの会話、だいぶ仲良さそうだったけど、龍太郎にとって「家族の会話」ではなかったんだなと思うと、なんか、こう、色々苦しくなってきた。
    ドイツからの帰国子女だし、院長の一人息子だし、他の研修医と友達になろうとしないし……あの…あの……。自分、龍太郎のことギュッ(抱擁)していいすか?

    妄想120%の捏造、駄文。1000文字ぐらい。
    多分もう日本にいる。
    高品家族+もっちゃん(オヤジとオフクロは、オレより仕事が好きなんだ)

    すまない、と一言残しバタバタと出て行った両親を見送りながら、龍太郎はそう思った。
    当てつけだとは分かっている。医者や看護師という仕事の尊さは、今日12歳になった少年ですらよく理解していた。

    (それでも…)

    イチゴのショートケーキを一人で頬張る。ケーキボックスの中には龍太郎の分しかなかった。





    まどろみから龍太郎を目覚めさせたのはインターホンだった。
    ジリリリと家中に響くそれを止めに行こうと玄関へ向かう。

    結局昨夜は両親が早く帰ってくるという希望を捨てきれず、リビングにお気に入りのぬいぐるみと毛布、それにゲームを持ってきてダラダラと過ごしていた。
    まだだろうか、と待っているうちに寝落ちしてしまったらしい。
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