Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    応援

    Asahikawa_kamo

    PASTテス勉してるmcとそれを応援するrfの話。
    かち、かち、と時計の鳴る音に混ざりながら、ペン先がノートを滑っている。机に向かっていたその背中が、ふと伸びた。上げた視線の先は壁掛けの時計。既に、午前二時を回っているところだった。
     集中の糸が少し途切れたその緑色がぐっと背伸びをする。流石にそろそろ寝るべきかと巡る思考と、書きかけの勉強の後。ここまで、このページまで解き終わって答え合わせをしてしまったら寝よう。そう思いふと息を細く吐いた彼のスマホが、ぶぶ、と音を立てる。いつもであれば勉強中はそもそも耳にさえ入ってこないその鳴りが、ちょうど休憩中故か気になってしまったので、彼──剣持は、伏せていたスマホを持ち上げてちらりとロック画面を見た。
     剣持刀也はライバーである。しかしそれ以前に、高校生でもあった。この年で仕事をしているとはいえ、彼の本業は間違いなく学生だ。それはライバー仲間誰しもがそうであるだろうが、きちんとどちらも両立できていなければ胸を張って学生兼ライバーだとは到底言えないのである。故に剣持は自分が学生であるということもおろそかにはしたくなかった。今目の前に広がっているそれも、ちょっとした努力の一環。数日後に控えたテストのための追い込み勉強だった。
    2187