Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    昨日

    えと。

    DONE夏の帝幻
    昨日画像であげたものの一気読みバージョン
    この国の春夏秋冬は美しいと思う。しかし、ここ数年の夏だけはいただけない。本日も蝉の声が早朝から大合唱をし、まだ店も開いてない時間だというのに既に室内温度計は30度を示す。シブヤはあまりにも暑すぎるからと取材も兼ねて喧騒を離れて少々田舎の方に身を寄せて数日、どこもたいして変わらないなと連日の最高気温のニュースを見て思う。1週間ほど季節を感じやすい場所で活動するつもりだったが、どうにも暑すぎて散策に出るのもままならない。結局はクーラーを効かせた部屋であーでもない、こーでもないと頭を働かせるだけなのだからどこにいても一緒だ。
    「帰ろっかな……」
    自分以外が開けることはない玄関を見て思わずぽろりとこぼれた言葉は帝統と乱数の顔をより鮮明に思い出させた。今帰ったところで乱数は南の方へ出張中だし、帝統には3日前から連絡が取れていない。少し弱気になってしまったが、今日こそはせっかく来たこの町を見て回ろうとようやくベッドから降りて着替えの準備をする。この町では夢野幻太郎は目立ち過ぎるので黒のスラックスと薄緑のシャツを羽織る。鏡の前に立つのはまぁ、どこにでもいる普通の男である。洋服を着ると少し幼く見えるなと表情を引き締める。乱数に貰った日焼け止めをきちんと塗って日傘を持って宿を出る。
    5054

    ミヤシロ

    DONE89話『果たすべきこと』を見て思いついた話。🐉と🗡️でこんなやりとりがあったら面白そうだな、と。
    暑い日が続きますね。昨日は二十四節気の大暑でしたし、毎日本当に暑いです。

    追記
    7/19に広告を非表示にし、キャプションの文章を一部変更しました。
    広告がなくなると画面がさっぱりして、いいですね。
    魔龍と刃 暗い裏路地で着信を受けたクロムは、“そうか”と答えるのみであった。
     シエルの願いを受け入れも退けもせず、無感動な一言を掛けてすぐ通話を切った。シエルの声が聞こえなくなると辺りは静まり返り、無音が耳に痛いほどだ。クロムは嫌な静寂が垂れ込める世界に身を置いている。日の光がまともに射さず、彼の居場所は真昼にもかかわらず薄暗い――力を求めるあまり外道に堕ちた彼は、心のみならず身を潜める場所も闇に支配されていた。
     もっともクロムは冷淡に答えるも、彼の胸にはシエルの言葉が突き刺さっている。いじらしい少年はたとえどのような目に遭おうとクロムを慕い、ゆえに彼は少なくない呵責を覚えるのだった。神妙な顔で口を結び、青年は少年の言葉を反芻する。信念に支えられた発言は力強く、青年の帰還を切望する感情に溢れていた。
    2191