母です
下町小劇場・芳流
PAST大昔の俺屍小説。この話はここで終わり。
3に合わせて直すべきところを直してなかったので、急いで修正しました。
終盤でひとことだけ出てくる「輝夜」とは、明梨の母です。
「鬼鏡」 疫神4四
目を閉じると、瞼の裏に浮かぶのはいつも同じ景色だった。
どこまでも続く、途切れることのない漆黒の帳(とばり)。時折浮かぶ、漁火(いさりび)のような鬼の炎。そこに漂う、醜悪な餓鬼、狐、天狗。
だが、春日の前に動くものの姿は、もはや何一つなかった。
憔悴しきった両腕から大筒が滑り落ちそうになり、姿勢を崩した春日は、そのまま膝を付いた。荒い息が、唇からこぼれる。膝と手が付いた大地の感触は、いやに柔らかかった。
「・・・終わりだ・・・。」
春日は、荒い息と共に吐き捨てた。大筒は、撃ちつくしていた。もう、どこからも鬼が上がってこないことを、彼は知っていた。
だが、その期待を裏切り、彼が膝を突く大地が揺れた。具足に覆われた彼の足を、白い何かが絡め取った。
14522目を閉じると、瞼の裏に浮かぶのはいつも同じ景色だった。
どこまでも続く、途切れることのない漆黒の帳(とばり)。時折浮かぶ、漁火(いさりび)のような鬼の炎。そこに漂う、醜悪な餓鬼、狐、天狗。
だが、春日の前に動くものの姿は、もはや何一つなかった。
憔悴しきった両腕から大筒が滑り落ちそうになり、姿勢を崩した春日は、そのまま膝を付いた。荒い息が、唇からこぼれる。膝と手が付いた大地の感触は、いやに柔らかかった。
「・・・終わりだ・・・。」
春日は、荒い息と共に吐き捨てた。大筒は、撃ちつくしていた。もう、どこからも鬼が上がってこないことを、彼は知っていた。
だが、その期待を裏切り、彼が膝を突く大地が揺れた。具足に覆われた彼の足を、白い何かが絡め取った。