魔界と現世の夏休み　爆映え⭐︎ナイトプール「……バカの乱痴気騒ぎが何ですって？」

　蜥蜴型魔族の執事頭メーアメーアはぺろりと眼球を舐めた。

「違いますよ。ナイトプールです。ナ・イ・ト・プ・ー・ル」

　魔王の妃アウゲの侍女頭、ザフィアは一音一音区切って言い直す。

「それで、そのナイトプールとやらが何ですって？」

「ちゃんと私の話聞いてました？　姫さまが現世の只人たちを招待したいっておっしゃるから、その趣向を考えろって言ったの、執事頭でしょ？」

「……わたくしが言ったのは客人をもてなす趣向のことで、乱痴気騒ぎの趣向ではありませんが」

　メーアメーアは反対側の眼球を舐める。

「脳筋の近衛が一緒に行くんならどっちにしたってバカの乱痴気騒ぎは避けられないじゃないですか。あいつらは小隊対抗山岳レースでもやらせとけばいいんですよ。どうせ高価な料理の味もわかりゃしないんだし。酒と肉与えてほったらかしとけば適当にやるでしょ。ねえ？」

真夏のプールサイド・ドリーム真夏のプールサイド・ドリーム
〜同時開催/男だらけのアームレスリング大会~

＊
　
　魔界の理ことわりは、未だ謎が多い。
　特にそれが、現世の人間にどう作用するかは、極端にサンプルケースが少ないのである。

　その日、ひとりの只人ただびとを化性シェイプシフターへと変えたのは、「僕はキスが一番気持ちいいな」という一言だった。
　
　彼は魔界の影響下においてのみ、何らかのトリガーによって野干ジャッカルへと変身する。現世において、辺境伯家の息子という地位を持つ男・ルーシアスにとって、三度目の変身だ。

　要因はいくつかある。
　
　元々、人から野干の姿への変身を経験していたこと。
　前日まで、悶々としていたこと。

Nightmare「え……？」
　頭がぼうっとしている。
　雪景色の中にいるのに、妙に自分の内側だけ熱くて、やたら寒気がする。
　隣に立つウォノが、静かにこちらを向いた。
「俺が先に死ぬだろ？順当に行けば。そうなったらお前はどうしたい」
　いつものように、あまり口を大きく開けずに話すウォノの声は優しげで、でも悟ったようにひんやりとしている。
　ウォノが死んだら？
　何故そんなことを言うのだろう。
「あなた、僕の死に様を見届けに来たくせに、先に死ぬ気なんですか」
　ようやく見つけた温もりだ。
　喪う日はまだ、ずっと先がいい。
　自分の声が揺れて響くのに狼狽えて、ただウォノの目をまっすぐ見つめた。
　不意に強い風が吹き、目を細める。
「じゃあ

レイシフト先で購入した屋台飯。
よくあるハンバーガーで屋台のおじさんもおまけだよとパティとパンの間にベーコンを一枚、笑顔でおまけしてくれた善い人だった。
お腹も空いていたし少し離れたところにあった花壇の縁に腰かける。
「いただきます！」
早速大きな口を開けてハンバーガーを口に運ぶ。
口の中に入る直前だ。
バシッという音と同時に手からハンバーガーが離れて地面に落ちた。
包み紙から離れてパンもパティもレタスもおまけしてくれたベーコンもすべてべっとり土まみれになった。
ひりひりと手が痛むのを自覚したのはその後で、やっと何が起こったか理解する。
慌てて隣にいた高杉さんを見ると真剣な表情の赤い目がうっすら光を帯びていた。
「毒だ」

用餐禮儀 上【開幕】

鳥叫聲、手機鈴聲，以及門鈴聲爭先恐後地闖進Mysta Rias的夢境裡。Mysta Rias抱著薄被不情願又沉默地睜開眼，藍粉色眼眸下的青黑顯示他剛度過一晚品質不怎麼樣的睡眠。他正在休假中，公務手機早已關機，這個鈴聲聽起來像是他的私人手機設置的鈴聲，有他私人號碼的人屈指可數，而那些人都不是會在一大早打電話給他的、不識相的人。
手機鈴聲不死心地又響了十幾秒，倏地消弭下去，被從夢境裡吵醒的Mysta Rias聽著不停啾啾叫的鳥鳴以及依然叮咚叮咚響著的門鈴，心情很差地思考著要先弄死外面的鳥，還是外面的不速之客。被迫清醒的腦子仍舊遲鈍，Mysta Rias沒來得及做出決定，該死的手機鈴聲再次響起，喜愛的歌曲如今反倒使他厭煩，三道重複的聲響令他心中的火苗燃燒得更加旺盛。Mysta Rias忍無可忍地伸長手抓了手機，螢幕顯示著從未記錄過的號碼，他掛斷及封鎖的動作一氣呵成，接著一把掀開腰上的薄被，氣呼呼地走到門前。