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    もちこの本棚📖

    DONE過去に幽霊けけシリーズの短編で書いたものを加筆修正しました。お題は「傘」をお借りしています。

    幽霊けけシリーズってなぁに?という方は本編後の暁人くんの元に幽霊として帰ってきたKKが再び一心同体状態で生活を共にしている、という設定が前提にあるおはなし、と解釈していただければ…!
    (過去作を読んでいただけると尚のこと嬉しいです………!)
    幽霊の相棒と、傘と ――スマートフォンのアラーム音が鳴る。
     うーん、と軽く唸りながら暁人がスマホに手を伸ばし、画面も見ずにアラーム解除をタップした。まだ眠り足りない暁人が再び眠りにつこうとすると、突然金縛りにあったように体が動かなくなり、目がバチッと開かれ閉じることが出来なくなる。ずしり、と体の上に何かの重さを感じ、恐る恐るソレの正体を確認…することはなく
    「けぇけぇ……金縛りで起こすのやめてくれる…?」
     寝起きの少し掠れた声で暁人が困った顔をした。
    『こうでもしないと起きないだろ、オマエ』
     金縛りを起こしたのは幽霊の相棒である、KKの仕業だった。霊体姿で暁人の上に胡座をかいて座っている。
    「大丈夫だよ……二度寝したって間に合うようにアラームセットしてるんだから……」
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    @t_utumiiiii

    DOODLE試合でフールズ・ゴールドにぶん殴られて意識がぶっ飛んだ心眼が幼年期探鉱者と遭遇する二次妄想 ※日記のないキャラクターの言動を捏造 ※サバイバーが全員荘園で生活しているタイプの自由な荘園妄想
    壊れた鳥籠(探鉱者又はフールズ・ゴールドと心眼) ヘレナは目の前の景色が「見える」ことに気が付くと、すぐにそれが夢であることを理解した。彼女が視力を失ったのはほんの幼い頃であったが、それでも無意識はかつて見た景色を覚えているようで、彼女は時に夢の中で、窓から指し込んでくる明るい日の光に照らし出された、懐かしい我が家の内装を、ほんの低い視点から見上げることがある――が、目の前の景色は穏やかな昼下がりを迎えた家の光景とは全く異なり、まるでネズミかモグラが地面に掘った穴の中にいるのようで、自分が穴の中にいることを考えればその天井はそれなりに高く、人が動き回るには十分広いとはいえ、絶対的な空間としては狭く、こもった臭いがして、薄暗い。穴の中に敷かれた線路の枕木を文字通り枕にしながら、着の身着のまま土の上に横たわっていた彼女の顔を上から覗き込んでくる男の子の顔が無ければ、彼女はそれが夢だと(つまり、自分が今「目が見えている」ことに)気付くのはもう少し遅れただろう。
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