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    浅見

    しきしま

    DONE浅見×大河東京の桜がいちばんの見頃を迎える頃、浅見から予約が入った。
    大河は、浅見の予約がない限りは別の男に抱かれることもなく、今まで通りの日々を送っていた。浅見が自分を囲っていて、他の男には渡さないようにしているのか、単純にそういった人間は少ないというだけなのか、それともまた他に理由があるのか、考えても大河にはよく分からなかった。別の板前に聞くのも躊躇われた。このことで色々と教えてくれたジローにさえ尋ねるのは恥ずかしいし、コウキやスバルにはなおさら言い難い。ましてや、尾上には口が裂けても言えなかった。浅見に執着し始めている自分を、誰にも知られたくなかったのだ。

     予約の日は、思っていたよりも早く訪れた。
     いつもの通り、運ばれていく料理を見つめながら桜の間で待っていると、予約していた18時ちょうどに、濃藍の着物に身を包んだ浅見が入ってきた。
     心の準備はできていたはずなのに、浅見の顔を見ると大河は期待と戸惑いでどうにもならなくなってしまった。浅見のほうは、割と飄々としていた。それが何となく、大河には気恥ずかしかった。かといって、戸惑っていて欲しいわけでもない。

    「会いたかったよ、可愛い僕の 3171