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    温度

    ゆるはら

    REHABILI同じ温度に還る/土方組(若干兼さに?)
    死生観の話なので暗いです
    主の命で、僕と兼さんはある審神者の葬列に参加した。
    棺の中のその審神者は、懐に刀を抱いていた。
    「兼さん、あれ、って」
    兼さんは人差し指を唇に当てて、首を横に振った。どう見てもあれは。僕たちと同じだった刀だった。

    「なんで、一緒に焼かれることを選んだんだろう」
    帰りに兼さんに聞いてみた。
    「……さぁな。んなもん、聞いてみねぇとわかんねぇさ」
    「けど…僕たち、戦うために宿されたのに…」
    主の意志を継いで戦い続けるのでも、主の最期を見届けるのでもなく、主とともに焼かれる。それは、ほとんど心中のようなものだ。
    「…案外、同じ温度で、同じものに溶けてひとつになりたかったんじゃねーかな」
    「…それでも残る思いがあっても?」
    いや、どうだろうな、と兼さんは空を見上げた。
    「そういう奴に限って、悔いを残さねぇもんだよ」
    「………わかんないよ」
    「だろうな、…けど、そういう形もあるってこった」
    はっとした。兼さんは、いずれそのつもりがあるのだろうか。兼さんの心残りは、恐らく。
    「………心配すんな、俺はお前を置いては行かねーよ」
    「………うん」
    そうだといいけどな、と。僕も空を見上げた。
    火葬場の煙が 514

    StarlightSzk

    REHABILI【晶蛍】ひかりの温度
    スターライト・アキラ1周年おめでとう(遅刻)
    晶は自らのことをストレートに認めるのが得意だ。それがいいことだろうと悪いことだろうと、自己流の解釈によって昇華する。
    いつだって輝ける自信がある彼だから、自分が誰かを『照らす』などと言えるのだろう。
    僕には、とても出来ない。

    「それは、どうだろうね」
    試合で久方ぶりに発動した晶渾身のキラートリックを見た僕が浮かない顔をしていたのを、晶が見逃すはずがなかった。寮に帰ってからわざわざこちらの部屋にやってきてまで水を向けられる。
    彼を見習ってストレートにそう溢した僕の言葉は、誰でもない晶自身に掬い取られた。
    「どうって、晶がわかることじゃないでしょう」
    「いいやわかるさ。君はとても優しく包み込む光の持ち主だ。キラートリックと同じようなね」
    手を出して、と言われて手のひらを上にして出せばそこに躊躇いもなく手のひらを重ねられる。目で合図を出され、従った。
    癒しの光。
    怒れる者へ、悲しむ者へ、平穏への願いを。
    生きとし生けるものすべてが、らしく生きることが出来るよう。
    祈りのこもったそれは灯りがついた部屋の中でもわかるほどの輝きで、ふわりと無数に散らばって消えた。
    「うん、身体が温かくなった!あ 957