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    ヴィーノ

    MEMO品田と秋山のどっちがバニースーツが似合うかっていったらそりゃあ秋山でしょ。イメージは燕尾バニー。特段照れてないのは品田だからであって、相手が桐生だったら多分羞恥で死ぬよ、秋山。
    でも品田のあの大胸筋を強調させたバニースーツ姿、見てみたくない?私は見たい。
    「いや〜ぁ……めちゃくちゃいいっすねぇ!似合いますよ、秋山さん!」

    そう手を叩いて嬉しそうに言う品田に秋山は深い深い――マリアナ海溝よりも深いため息をついてラブホの天井を見上げた。残念ながらそこにシミはなかった。

    「なんだって、こんな…」

    「バニーの日らしいんで」

    うきうきと安っぽいうさ耳カチューシャを持って近づいてきた品田をキッと睨みつける。その鋭い視線に品田は思わず肩を竦めながらも、秋山の頭にうさ耳カチューシャを着けた。
    するとどうだろう!秋山の男にしてはすらりとしているボディラインを艶やかに浮き上がらせたピッチピチの真っ赤なレオタード、長く伸びるしなやかな脚を包む網タイツに踏まれたら絶対に痛いであろうことは確実な厚底ピンヒール。両手首にはカフスがつけられ、男らしい首を隠す少しだけ曲がったリボンタイ。袖がない燕尾服ジャケットは秋山が動く度にむちりとした尻をちらちらと見せてくれる。そして、最後に秋山の「帰りたい」という気持ちを表しているかのようなくてりと力のないうさ耳カチューシャがちょこんと頭に乗っかって――バニー秋山の完成だ。
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    ちょこ

    DONEアイドラ話
    燕くんと時雨先生の話
    学院の使われていない音楽室、ここでたまにピアノを弾く時雨だったが、最近は生徒である燕が来るようになった。彼が来てはリクエストの曲を弾いたりレッスンをしたり。そんな時雨にとって今までが非日常だったものが日常になりつつある頃、燕が何か小さな紙袋を時雨に差し出した。一瞬なんだろうか、と受け取る。
    「……先生に似合いそうだと、思いまして」
    燕がそう言ったのでそっと中身を見る、中には小さな箱が入っていた。その箱を手にして書いてある文字を見た。沈丁花と書かれた文字に可愛らしい花のデザイン、香水かと気づくには時間はかからなかった。まさか生徒から香水を贈られるとは思わず、チラリと燕を見る。
    「……。教師に香水を贈る生徒はお前くらいかもな」
    「……すみません……」
    「謝らなくていい。……相当悩んで考えた結果なんだろう? それを否定するなんて野暮だからな」
    一瞬燕が悩みながら香水を選んだのを想像してしまい少し微笑む。箱から香水を取り出す、箱のパッケージに描かれたデザインからして可愛らしい瓶に入れられてるのかと思っていたが、シンプルな四角の瓶だった。蓋をとり手首につけた、優しくも甘い香りが鼻に入る。こ 946