知恵熱
MtPain
PAST知能低下で知恵熱出した後にリハビリで書いたやつ。オベぐだ♀の全年齢。不可抗力でオベに血を啜られる話。
瘡蓋の功罪 傷痕が疼くのです。
海塩が絶え間なく患部に塗り込まれていくかのよう。少女は長く息を吐いて、鈍く響く痛みを堪えました。それは決して深い傷でないのに、いつまで経っても癒える気配がありませんでした。
「馬鹿らしい。虫風情に余計な気を回すからだ」
「判断は間違ってなかったと思うんだけどな」
「正しくないから、そんな目に遭っているんだ。学習能力の一つもないわけ?」
見窄らしい虫の翅を背負った青年は隣に佇む少女に辛辣な言葉を浴びせます。
それもそのはず。数刻前まで少女の左手首からは魔力の源──血液が溢れ落ちていたのです。それは少女自らが従者に活力を与える為、自らの手首をナイフで切り裂いた痕でした。
既に応急手当はされていていますが、依然として白い包帯は赤黒い染みに濡れたまま。けれどそれしか手段は無かったのだ、と彼女は語ります。
3166海塩が絶え間なく患部に塗り込まれていくかのよう。少女は長く息を吐いて、鈍く響く痛みを堪えました。それは決して深い傷でないのに、いつまで経っても癒える気配がありませんでした。
「馬鹿らしい。虫風情に余計な気を回すからだ」
「判断は間違ってなかったと思うんだけどな」
「正しくないから、そんな目に遭っているんだ。学習能力の一つもないわけ?」
見窄らしい虫の翅を背負った青年は隣に佇む少女に辛辣な言葉を浴びせます。
それもそのはず。数刻前まで少女の左手首からは魔力の源──血液が溢れ落ちていたのです。それは少女自らが従者に活力を与える為、自らの手首をナイフで切り裂いた痕でした。
既に応急手当はされていていますが、依然として白い包帯は赤黒い染みに濡れたまま。けれどそれしか手段は無かったのだ、と彼女は語ります。