Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    芸術家

    itundoEx

    DONE芸術家は二度死ぬ
    文筆家百物語怪談
    とある文芸作家の怪談 えぇえぇ、皆様皆様、お集まりの皆々様。
     どうもどうも、蒸し暑い日が続きますねぇ。私は一介の作家をしておりますものです。
     私の書いた作品がぁ、こんな遠い遠い未来にまで残っていること、そして今私がここにいるという事実現実、それが私にとってのホラーでございますが、皆様は私のコトをご存じでしょうか。おやおや、知らない人が多数ですかねぇ、ほらほら、遠慮なさらず手を挙げて構わねえんですよ? はは、私の背筋から冷たい汗が伝い落ちるところでございました。
     気を取り直しまして、襟を正させていただきましてっと……こんな場でお話をさせていただくなんてぇのは、まあそうないものでして。何せ私は筆で語る執筆屋、時には人に取材をした話やら、その地域に伝わる話やらをせっせせっせと集め回ったもんです。今はぁもしかしたらそういうコトもねえのかもしれませんねぇ。ここに来たときはぁまあ驚きました。知らぬ存ぜぬ機械に果てには芸術を社会制度に落とし込んじまっている、いやぁ、一介の作家の書く話ってのがぁ、芸術作品として残り続けている。こんな恥ずかしいことがぁありますか。きっと過去の文豪達もそうだそうだとお彼岸で頷いているコトでしょう。
    4329