猫化アラカラニャンニャン生活ある穏やかな昼間。
猫化アラカラはいつものようにくっついてお昼寝中。
今日も平和な騎士たちが「ほのぼのでかわいいな」と２匹を見守っている。

カタンというちょっとした物音にカラムの耳がピクンと反応をし目を開けてゆっくりと顔を上げた。すぐに周りを見渡すもいつものお昼寝場所と騎士といつものアランだけである。
特に危険はないと判断すればまたすぐに眠気がやって来てウトウトと目が薄っすらと開いては閉じ開いては閉じを繰り返す。
そしてそんな愛らしい姿のカラムを目を細めて見守る騎士達の目の前で寝落ちするカラムだった。
が、その寝落ちした場所はまさかの仰向けで寝ていたアランのふさふさご立派なニャン玉の上で────。



「カラム隊長そこはダメです！」

どうか私を捨てて下さい。ライトとビリーは世間一般で言う恋人同士だった。
何故そうなったか、どう言った経緯を経てなったのか。
それについて今は触れない。
ただライトは毎度事情の後に小さい痣のひとつもつけてこないビリーに思うところがあった。

何か、何でもいい。ビリーと繋がっていた証明が欲しかった。

するりと自身の首元を撫でる。
チャリ、と軽い音がして首からかけているドックタグが揺れた。

そっと己の手が添えられるそこにビリーの痕があればそれはまるでアクセサリーの様な、枷のような、ビリーという男の痕を自分に残せるあまつさえ所有物になれるのではないだろうか。

つい、と自身の鎖骨辺りをなぞる。ここには傷跡がない。

「……。」

目を閉じる、前に猛暑と言っても過言ではなかった日。