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    貴様

    サアユ

    DONE2024.11/23ハロウィンパロディ(仁玖(じんくお)/十六夜さん,他)

    【!注意事項!】
    ・完全捏造、独自設定です。
    ・拙宅の世界・キャラ設定は、https://x.com/yu_meer_i/status/1845813819572105306?t=XCTXP37-iLxxAYHTypKp-g&s=19
     をご覧ください。
    ・物語が暗く重く始まります。ご注意下さい。

    ☆下記文章 → 漫画 (下部の"すべて表示"ボタンより)





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    「母さん…」
    冷たくなっていく母の、優しかった手を固く握りしめ玖苑はすすり泣いていた。
    日々弱っていく母に何もできなかった後悔ばかりが心を強く締め付け、涙がこぼれるのを止められそうにない。

    部屋が静寂に包まれて、どのくらい経ったかわからない。
    突然、この部屋の唯一の出入り口、金属の格子の入った重々しい木の扉が乱暴に開かれた。
    「玖苑、それを渡せ。…遺体とはいえ魔女はどんな悪さをするかわらん」
    「っ!…母さんは悪いことなんかしない!」
    母を守るように立ち上がった怒りに震える玖苑に臆することなく、無遠慮に部屋に入ってきた高位の神官服の男はギラギラした目で親子を睨み据える。
    「とっくに火あぶりになっているはずの貴様ら親子をかくまってやったのに、つくづく忌々しい」
    「ボクたちを利用してきたのは貴方たちだ!もう教会の、貴方の言うことは聞かない!」
    「馬鹿め」
    「そこまでだ」
    腰に手を伸ばそうとしていた男は動きを止める。
    その背後にはいつの間に部屋に入ったのか、神官というよりは軍人のようにいかつい面持ちの男が立っていた。
    右手に持った拳銃を室内に向けて。
    「玖苑、教会にたてついたお前は破門だ。早く出ていけ」
    「…!」
    「何を勝手なことを。貴様私に銃口を向けてただで済むと思っているのか」
    「これは失礼。方向を誤ったようだ。…それよりも、お前は早く出ていけ」
    そう言って、小さな袋を玖苑に投げてよこした。
    じゃらと金属の音のする皮製の小さな袋が、玖苑の手の中に納まる。
    「これ…」
    「出て行けと言っている。早く!」
    「…」
    玖苑は深く頭を下げると、素早く母の体を抱え、窓を割って外に飛び出した。
    そしてどこからともなく取り出した木の箒に腰を乗せると、教会の鐘の屋根よりも高く空中に浮き上がった。
    割った窓からは言い争う怒鳴り声が聞こえる。
    次いで、銃声も。
    「!!」
    玖苑は息をのんだ。片腕に抱えた、冷たい母の体を強く抱きしめる。
    後ろ髪をひかれる思いで、それでも、
    自分を逃がしてくれた笹鬼神父の無事を祈りながら、
    冴えわたる月に向かって、玖苑は高く飛んだ。
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    リク@マイペース

    DONE0908
    グレシル/甘々寄り?/英雄独占欲強め(いつもの)/旅芸人乙女度強め?&天然傾向
    誤字脱字あったら申し訳…( ̄▽ ̄;)
    以下メモ
    英雄さんへの呼び方→名前、貴方、アンタ
    旅芸人さんへの呼び方→名前、お前、奴、彼女、貴様
    一応カテゴリはできたで…( ̄▽ ̄;)
    グレシル小説心地の良い歌が聴こえる。最初は小さかった為、よく分からなかったが、はっきりと聴こえてからは、誰の声かすぐにわかった。どうやら部屋で口ずさんでいるようだ。
    本日は天候も良く賑わいもある。天真爛漫を絵に描いたように、楽しいことへ真っ先に飛び出していきそうな奴が籠っているとは。
    しかし、反対の性質……たおやかさも持っている事を俺は知っている。

    どちらもゴリアテを構成する要素だ。なので今は穏やかな方なのだろうと思考が帰結した。
    それはそれとして……耳に馴染むそれをもっと堪能したいと、心身共に共鳴したのだろう。自然と歩みが速まり……目的の地に辿り着く。時間に換算して……1分も満たなかった。
    さて……特に変わった所はない。ただ1箇所を除いて。そう、不用心な事に……扉が開いていた。見た所、片足くらいなら入るだろう。平和を保っている町の比較的治安の良い宿とは言え、一時に過ぎない。
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