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    rvxiang(フラン)

    CAN’T MAKE政府直轄清掃課 い―二五九部隊(鬼典)

    以前の短文から修正・加筆
    政府刀の😈💀が社宅で同棲している設定
    「仕事だ、起きろ」


     男の声と共に、自らの腹の上に何かが放り投げこまれる。その衝撃を毛布越しに感じて身じろげば、小さすぎるということはないが、大きすぎるということもないベッドの柵に足が触れた。金属のひんやりとした感触が、爪先から指先まで伝わってくる。
     どうやら、もう朝が来たらしい。部屋には窓こそないが、時間によって管理された照明器具が薄らぼんやりと、東雲のように点灯している。まぶたを通した人工の光は水晶体を通して、脳裏まで痛烈に刺さってきた。 

    「……頭が痛い」

     そうぼやけば、薄目越しでも立っている男の不機嫌さが見えてくる。どれだけ呑んだんだという怒りが、口にしなくても伝わってくるようであった。

     昨夜、外出許可の手続きを経たついでに、大典太は行きつけの呑み屋で酒を引っ掛ける気でいた。一振だけの呑みは刀によっては敬遠する者も居るが、大典太自身は特に気にはしない性質である。ただ、昨夜はカウンターに座っているところを馴染みの長光に捕まってしまったのが運の尽きだった。軽く引っ掛けるどころか深夜に及ぶまで永遠と古ぼけた掛け軸の話をされ、二振の帰り道は月の明かりさえ夜闇と共に消えて 4162