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    Rhea_season

    DONE紅花√END後のリンレト。私の脳内では、小さな町でブックカフェを経営してのんびり暮らしているので、そんなある日の出来事程度ななにか。

    深謀遠慮
    深く考えを巡らし、のちのちの遠い先のことまで見通した周到綿密な計画を立てること。また、その計画
    深謀遠慮 店の扉が静かに閉まり、最後の客の気配が遠のいていった。午後の陽ざしが斜めに差し込むブックカフェには、ようやく深い静寂が戻ってくる。

     ベレトは、カウンター奥で片づけをしながら小さく息をついた。いつものように、最後まで客の話を聞いていたせいで、座る暇もないまま気づけば営業時間を越えてしまったらしい。

     そんなベレトとは対照的に、リンハルトは店の奥のキッチンスペースで、遅めの昼食の準備に取りかかっていた。といっても、冷蔵庫にあった作り置きのサンドイッチを二人分、白い皿に移し替えるだけの、ごく簡単なものだった。それでも食材が乾かないよう、ひとつずつ蝋引き紙で包まれていたため、それを綺麗に剥がして、具が崩れないように慎重に移し替えるのは見た目以上に気を使う作業だった。崩れやすいレタスや、はみ出しかけたチーズには、そっと指先を添えて形を整え、崩れないように静かに支えながら皿へと移していく。
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    unknown_thunfan

    DONE★注意★
    萬軍破中心の殤不患との友情+睦天命の小説
    「虎嘯風生」後日談ネタバレあり
    「月の都」から別の話の「砂漠の花」へ一部の設定が続きますが、別々でも読むことができます。
    雷鳴に続け2025で無償配布しました。
    ★あらすじ★
    ◎月の都
     西部総督の告発の証拠を受け取った萬軍破は、逆に濡れ衣を着せられて追われてしまう。逃げる萬軍破を殤不患と睦天命が助けて、告発のために一緒に関所まで旅をする。
    月の都「魔剣を作る呪法に心あたりはあるか?」
     萬軍破の発した問いかけに、殤不患と睦天命は驚いた。
    「そんなもん、しらねぇな」
     殤不患の言葉に、睦天命も首を振る。
     崩れかけた廃墟で夜の焚き火を睨みながら、萬軍破は言葉を続けた。
    「俺が西部総督について調査を行ったところ、西部総督は不正を行い私腹を肥やしていたが、それ以外にも魔剣の情報を集めて、あまつさえ神誨魔械も手に入れようと画策していた。
     そして、魔剣を作る呪法にも関わっていた」
    「俺がいうのもなんだが、西幽じゃ魔剣は厳しく管理されてるはずだろ?
     西部での皇帝の代理人の総督が隠れて禁断の魔剣集めか?
     こりゃ、驚きだな。あんな迷惑な代物、集めて喜ぶ奴の気がしれねぇが」
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    unknown_thunfan

    DONE★注意★
    萬軍破中心の殤不患との友情+睦天命
    「虎嘯風生」後日談ネタバレあり「流刀縁起」ネタもあり。
    神や呪術の禁忌に関する内容もあります。萬軍破と殤不患のブロマンス、萬軍破が女性にモテる表現あり。
    「月の都」の一部の設定の続きがあります。
    ★あらすじ★
    ◎砂漠の花
     西武総督の告発を終えた萬軍破が、夷狄の村の殤不患と睦天命の元を訪れる。三人は再開を喜び共に休暇を過ごす。
    砂漠の花 殤不患と睦天命は天幕の入り口に見慣れた顔を認めて、喜びで顔を輝かせた。
    「あら、萬将軍」
    入り口の萬軍破に気がついて睦天命が、嬉しそうな声をあげた。
    「おっ、閣下、お出ましで。
     こんな所まで共の者も連れずに、今日はどんな御用で?」
    殤不患が入り口で萬軍破を出迎えて、砕けた様子で軽口を叩いた。
    「ふふ、軍破でよいと言ったではないか。
     不患、今日は将軍ではなく、萬軍破として非公式の訪問だ」
    「では遠慮せずに、軍破って呼ばせてもらうぜ」
    萬軍破を部屋の中に招いて、殤不患は嬉しそうに向かい合って座り、睦天命も隣に座る。
    「で、どうだった?」
     こう聞かれて、話題は一つだろう。
     以前、三人は西部総督の不正を告発するために一緒に西幽で短い旅をして戦った仲だ。
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